【澤田裕のさいくるくるりん】脚力差を解消するランの工夫とは? | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】脚力差を解消するランの工夫とは?

オピニオン コラム
神宮外苑から箱根湯本を目指す90kmのルート。第2集合地点の藤沢駅なら、距離は40kmほどとなる
  • 神宮外苑から箱根湯本を目指す90kmのルート。第2集合地点の藤沢駅なら、距離は40kmほどとなる
  • 松崎まで南下後、大鍋越を越えて湯ヶ野温泉へと向かった(青い線)。途中から稲梓に迂回するルート(赤い線)も用意し、宿で再会
1949年の創立以来、約70年の歴史を誇る港サイクリングクラブ(MCC)。僕が所属するクラブですが、グループ内での脚力差にさまざまな工夫を凝らして解消に取り組んでいます。

MCCを構成するメンバーは相応に歳を重ね、さらに新入会者も定年退職組が目立つということもあり、巡航速度も走行距離も下降の一途をたどっています。まあ、全員が等しくそうならばかまいませんが、なかには年齢を感じさせない脚力の持ち主、少数とはいえ若い人もいて、5年ごとの開催となる東京~直江津の300kmには10名を超える完走者がいます。

そのため活動のメインとなるサイクリング(ラン)の実施には、つねに苦労が伴います。日帰りランであれば事前予約は一切なく、クラブ員であれば誰でも参加可となっているわけですから、それも当然といえば当然。何の心配もいらないのは、神宮外苑絵画館前を起点に都内、なかでも23区内をさまざまなテーマ(坂道や湧水など)に従って巡る、いわゆるポタリング(距離は30km程度)ぐらいでしょうか。

■個人差が出る長距離ラン

では、長距離ランではどうするか?その策として最も簡便かつ多用されているのが、集合地点を複数設けるというものです。自身が担当したランを例に挙げましょう。私は絵画館前起点でも「東海道を西へ」というテーマを立て、国道15号や1号、134号などを経由して箱根湯本まで走る90km強のランを企画しました。

当然ながらメンバーから、「そんなに走れない」「幹線道路を走ってもつまらない」との声も上がりますから何とかしなければなりません。そこで途中の藤沢駅を、第2集合地点としました。こうすれば残す距離は40kmほどとなります。難しいのは、第2集合地点の出発時間をどうするかです。下見の結果を踏まえて11時としたものの、やはり単独走と集団走では勝手が違い、当日は30分ほど遅れての到着となってしまいました。

それでも翌年も懲りず、今度は「日光街道を北へ」ということで、やはり絵画館前から国道4号を北上しました。このときは第2集合地点(南越谷駅)だけでなく、第3集合地点(幸手駅)も設定。あいにくの雨にもかかわらず、予定どおりに到着することができました。雨のせいか交通量が少なく、しかも参加者の脚がそろっていたことが幸いしたようです。

■別ルートも用意

以上は日帰りランのものですが、宿泊を伴うランではより高度な手法も用います。こちらも僕が担当した、3泊4日で伊豆半島を巡ったランを例に挙げましょう。西海岸の温泉地である土肥に泊まった翌日は、松崎まで南下後、大鍋越を越えて湯ヶ野温泉へと向かいました。この峠は今も未舗装で、しかも高低差が600mあります。となると脚力に不安のある人や細いタイヤの人は無理。


松崎まで南下後、大鍋越を越えて湯ヶ野温泉へと向かった(青い線)。途中から稲梓に迂回するルート(赤い線)も用意し、宿で再会

そこで稲梓に迂回するルートを用意し、希望者にはそちらを選んでもらいました。そしてその翌日も、メインは未舗装の林道となるため、そこを避けるルートを設定。いずれも別ルートのガイドを任せられる人がいたからできたことですが、おかげで予定した時間内に宿に到着。トラブルもありませんでした。

ルートを別にするだけでなく、鉄道など他の交通機関を利用する方法もあります。今年のゴールデンウイークのランでは、途中に小諸から野辺山を目指す距離40km高低差600mの区間がありましたが、担当者は自走組と並行するJR小海線を利用する輪行組とに分け、ドライブインで合流するようにしました。

このように工夫次第で脚力差を解消することはできますが、それでも一緒になればペースを合わせて走らなければなりませんし、どうしてもコースプランに制約が生じます。やはりある程度の規模のグループなら、脚力別にランそのものを分けたり、通常のラン以外に対象者限定のランを実施するのが一番です。
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