当然、自転車の乗り方や環境にも変化があると思っていたのですが、危険なサイクリストが目立ちました。また電動アシスト自転車の人気により母と子が乗る姿が多かったように思います。
オーストラリアのアデレードではここ数年でロードサイクリストが増え、サイクリストのマナーもよくなってきました。日本との違いを比較しながら考察したいと思います。
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ある地域では電動自転車のレンタルがありました
●自転車が歩行者扱いの日本
東京周辺では歩行者専用道を走る自転車(特にシティサイクル)がかなり目立ちました。また道路を逆走するロードバイクも。
オーストラリアでは自転車は軽車両という認識が高いため、ロードバイクはもちろんシティサイクルでさえ9割以上が道路または自転車専用道を走ります。アデレードのサイクリストがなぜ自転車を二輪車と認識し、道路や自転車専用道を走るのか?
それは子どもたちへの自転車教育が大きく影響していると思います。自転車教育というのは、家庭や学校が教える時間を作ることだけではありません。普段の生活の中で大人が正しい自転車のマナーを見せることで、子どもが自然と身につけるものなのかも知れません。
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オーストラリアの親子
●日本では自転車が軽車両である意識を高める必要がある?
自転車が快適で健康にもよい乗り物で、簡単に乗れるために軽車両である危険性をつい忘れがち。この意識を高める必要があると感じました。昨年6月に施行された自転車の規定の整備などは、どれだけの人に伝わっているのでしょうか。
●子どもの自転車のイベントが多いオーストラリア
アデレードではどんな自転車のイベントでも、子どものライドイベントが同時開催されることが多いです。子どもたちはそれらのイベントから自転車の乗り方やマナー・ルールを学んでいます。毎年1月に開催される国際レースのツアー・ダウンアンダー会場でも子ども向けイベントが開催されます。
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ツアー・ダウンアンダー
●シティサイクルとロードバイクの境界線がない
オーストラリアでは自転車協会がたくさんのライドプログラムを提供し、そのプログラムには自転車の区別がありません。自転車の区別よりも、自分の技術にあったグループでライドをすることが重要視されているからです。
シティバイクとロードバイクが混在するグループも見かけます。どちらも同じ自転車。境界線を作らず、安全に乗るためのマナーやルールを共有、認識するのがポイントなのかもしれません。
●オーストラリアの自転車屋ではヘルメットが自転車購入とセット
自転車ヘルメットが義務化されているオーストラリアでは、自転車購入の際にヘルメットを勧めらます(交渉次第では自転車割引の代わりにヘルメットが無料)。
東京オリンピックまでの4年間、海外のサイクリストへの見本になるためにも安全で楽しめる自転車の環境作り、安全性への意識を高めていってほしいものです。