オーストラリアでの災害ボランティアを体験して | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

オーストラリアでの災害ボランティアを体験して

オピニオン コラム

南オーストラリア州アデレードヒルズ2015山火事
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  • 災害後のイベントボランティア
毎日インターネットのニュースでは熊本での地震情報が流れています。また南米エクアドルでも大きな地震があり多くの犠牲者を出しています。

それらのニュースを見て思い出すのは、2011年東日本大震災。私に何ができるのか、答えを見つけるのに1年かかり、私は岩手に向かいました。ニュースなどで見て想像していたよりも現実には悲惨な状況。「震災後、多く活動していたボランティアはその1年後にはかなりの少なくなってきて寂しくなりました」と話してくれた住民がいました。

ボランティアはやらなかった(というよりも、できなかったという言葉の方が正しいかもしれません)のですが、被災の現場を自分の目で見たということが自分の災害やボランティアへの認識を変えることになりました。それは日本だけではなく、オーストラリアではどうなのかという疑問にまで広げることができるようになりました。

ここオーストラリアでの自然災害について紹介します。

オーストラリアは、断層がないために大きな地震はないのですが(2015年は一部の州で地震があったそうです)、その代わり自然災害として代表されるのが森林火災です。

1.地震と森林火災の主な特徴の比較

地震:たとえ、地震警報を受けたとしても逃げ場がない、災害規模が大きいために復旧に時間がかかる、気象状況の変化によって被災後も注意が必要。復旧に時間がかかるためにライフラインの早急な構築が必要になる。

森林火災:火災警報を注意しておけば比較的逃げるまでの時間がある。ひとたび火災が発生すると全壊の可能性も高くやはり復旧には時間がかかる(ただし地震に比べると街全体というよりは個人レベルでの復旧が必要になる)。雨は火災鎮火の助けにはなるが、風が強い場合は急速に広がる恐れもあるため気象状況が大きく係ってくる。

2.森林火災の際の州の対応

オーストラリア大陸でも南側(南オーストラリア州やヴィクトリア州など)は特に乾燥しているため夏の特に乾燥する日、また風の強くなる日は森林火災警報が発令されます。消防署のサイトには、火災の起きやすいレベルによって対応方法を記載、また南オーストラリアの場合は街のところどころに掲示板が設置され火災の起きやすいレベルを一目で知ることができる工夫がされています。

3.ボランティアの対応

日本と全く違うのが災害のボランティアの対応です。もっとも上記に挙げたように災害の質が違うために対応にも多少違いがでることは当然のことですが。オーストラリアではボランティアをするということが普通の生活の中に組み込まれている感があります。ここでの災害ボランティアはどうなっているのかを体験から簡単に紹介したいと思います。

●ボランティアの出番の多さは個人主義と関係か

日本では普段でも個人的に助け合う場面が多く、災害後の助け合いの場面では海外のメディアからも称賛の声があがります。それに比べると様々な国からの移民者が多いオーストラリアでは、特に個人主義の傾向が強く、日本と比べると個人的に助け合うことが少ないように見受けられます。そのためにボランティアの出番が多くなるのではないかと考えられます。

●災害のボランティアの登録制度

夏になると消防庁のサイトには現況、火災が起きた時の必要なボランティアの詳細が掲載されます。火災時には消火活動にあたるボランティアも数多く2015年南オーストラリア州で起きた大きな森林火災では彼らの出動も多かったとのこと。700人以上もの消防のボランティアが消火活動にあたったと言われています。

災害時のボランティアはそれだけに終わりません。登録しておくとその後、災害が起きた時にメールで連絡がきます。そのボランティアが自分に適切であればできる旨を連絡、その後ボランティアのオーガナイザーから連絡がきます。このシステムは、ボランティアをまとめるオーガナイザーにとっては、現地に直接くるボランティアの混乱を避けるのによい方法と言えるのでは。

この時の森林火災でボランティアを申し込みましたが、火災現場での体験がないために当然その時の仕事はありませんが、火災ボランティアのことも忘れた1か月後にボランティア募集のメールがきました。

それは街の復興資金のためのイベントの手伝いというもの。火災でほとんど焼き尽くされてしまった小さな地域を助けるためのものでした。イベントと言っても街のお祭りで屋台で食べ物を売ったり子供たちのゲームブースで受付をする簡単なもの。それでも復興資金を作ることに少しでも係れたことは嬉しく思いました。相手に必要とされたボランティアができたこと、それがボランティアの本義なのかもしれません。

実は、そのイベントの最中でも近所では山火事があり、展示用の消防車が出動するという場面も。それでもイベントが継続され、参加者もあまり気にしていなかったように見えるのはやはりオーストラリアの国民性なのかもしれません。

災害が起きた時に何か役に立ちたいとは多くの人が思うこと。それが決して押しつけではなく、ほんとうに相手のためになるのかということをより考えなければならないということを強く感じたオーストラリアの災害ボランティアでした。
《Australia photographer Asami SAKURA》

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