音楽フェスティバルと自然環境問題がコラボレーションしたイベントWOMADelaide2016が、4日間に渡り南オーストリア州アデレードにて開催されました。
1月のUCIプロレースそして2月半ばから開催されたアデレード・フリンジとフェスティバルで賑やかな南オーストラリア、フリンジが終わる直前の数日間限定で同時に行われるイベントがWOMADelaideです。市内からも歩いて行かれるアデレード植物園に隣接した公園がその会場。30ヘクタールの広さを持つ公園は、普段は市民の憩いの場所として利用されているところです。ここに、音楽イベント用に6つの特設ステージの他、50店以上ものインターナショナルフードの屋台そして特設バーやレストランまでが併設されました。
●オーストラリアでは、南オーストラリア州限定のフェスティバル
WOMADはイギリスでスタートして30年、オーストラリアでは20年の歴史を持つイベントで、オーストラリアでは南オーストラリア州アデレードのみでの開催しています。
3月ニュージーランド・5月スペイン・7月UKと世界数か国で行われますが、こちらで行われるWOMADelaideは特に自然環境をも考えられたもの。広く緑の多い公園で開催することで観客も自然環境への意識が高い人が多く集まっていたように見受けられました。
●音楽とアートそして環境
WOMADはWorld of Mysic, arts and danceの略。世界からプロのアーティストが集まり、開催期間の四日間この公園は音楽で賑やかになります。アーティスト系のイベントと環境問題をコラボさせてしまうのは、このオーストラリアならでは。
チケットは入場料一日150ドルからと高めですが、いったんゲートに入ればイベントはすべて無料、音楽やワークショップなど気軽に参加できるのが魅力とあり、家族連れやカップルなどで連日にぎわいました。
●参加アーティストは世界から
UK・USA・ウクライナ・インド・スペイン・イスラエル・キューバ・カナダ・ニュージーランド・南アフリカ・イラン・日本・ギリシャ・中国から集まったアーティストは60以上のグループ。各国でプロとして活躍しているアーティストの演奏には多くの人が集まりました。特に日本から初参加のグループであるマウンテン・モカ・キリマンジャロには多くの人が彼らの演奏を楽しんでいました。終了後にはサインをもらうために長蛇の列ができます。
音楽は、自然とのコラボイベントとあり、ジャズやソウル系の音楽が多いのが特徴で、ネイティブオーストラリアンであるアボリジニのダンサーも出演しました。
●お酒の好きな国民性
ローカルビールそしてワインのバーでは多くの人がお酒を楽しんでいました。酒造メーカーの協賛はオーストラリアのイベントではなくてはならないもの。これだけでも人が集まるのはやはり国民性と言えるでしょう。
屋台には、オーガニック系のものやまた、最近、オーストラリアで増えてきたベジタリアン志向のものも多く、肉や乳製品などの多い食生活が見直され始めてきたと言えるでしょう。
●フェスティバルのほとんどが自然環境を考えられたもの
会場内では、ゴミはすべて分別、オーガニックの肥料としてこの公園内の土壌に戻します。2015年はすべてのゴミの98%から11トンの肥料に変えて広場に戻したとのことで今年も多くのゴミから肥料として土に戻されていく予定です。
入場料の一部(チケット一枚につき2ドル)は植樹のために、また最近減り始めている野鳥類の育成のための資金として使われます。
仮増設された700台以上の自転車ラックにはいつも自転車がいっぱいで、多くの観客がサイクリングで通園してきたと言えます。
他にもパネルディスカッションなどこの四日間は見ごたえのあるイベントでした。自然環境は一人で考えても解決しない、多くの人が繋がることでいい方向へ行くことも学んだ貴重な時間を過ごすことができました。
《Asami SAKURA from Adelaide, SA》
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