多すぎる五輪スポンサーの「特例共存」…37社中19社、透ける運営の思惑 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

多すぎる五輪スポンサーの「特例共存」…37社中19社、透ける運営の思惑

スポーツ まとめ

東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム
  • 東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム
  • JR東日本と東京メトロが2020年東京オリンピック・パラリンピックとオフィシャルパートナー契約(2016年6月7日)
  • JR東日本と東京メトロが2020年東京オリンピック・パラリンピックとオフィシャルパートナー契約(2016年6月7日)
東日本旅客鉄道(JR東日本)と東京地下鉄(東京メトロ)は、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の国内スポンサーシップのひとつであるオフィシャルパートナー契約を締結。締結により、呼称やマークを使用した広報活動などが可能になった。

JR東日本と東京メトロ、東京オリンピックのスポンサーに…特例の2社共存

東京2020のスポンサーシップは「1業種1社」を原則としているが、今回JR東日本と東京メトロが契約する「旅客鉄道輸送サービス」カテゴリーは、特例として2社が共存する。日本オリンピック委員会(JOC)公式サイトによると東京2020のスポンサー数は現在、最上位のゴールドパートナーが15社、オフィシャルパートナーが22社、合計37社となっている。

「特例としての2社共存」ということだが、東京2020は過去大会と比較すると特例数がかなり多い。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会広報課によると、「1社だけでは大会運営に必要なものがそろえられない」という理由が特例を生み出す要因となるという。同大会はそれだけ設備やサービスを手厚くしていくのだろうか。

現時点での特例を挙げてみよう。特例とは「特別に設けた例外」という意味だが、なんと37社中19社が特例として共存していた。

まず前述したJR東日本と東京メトロ。「銀行」カテゴリーでは、みずほ銀行と三井住友銀行。「旅行業務およびナショナルトリップホスピタリティサービス(国内領域)」カテゴリーではJTBと近畿日本ツーリスト、東武トップツアーズの3社。「旅客航空輸送サービスカテゴリー」ではJAL(日本航空)とANA(全日空)。「警備サービス分野」はアルソックとセコム。新聞社は日本経済新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞の4社が共存。また、一部共存の例として「水回り備品」業種ではLIXILとTOTO、「ガス・ガス公共サービス」業種で東京ガスとENEOS。

しかし、なぜ今大会はここまで特例があふれているのだろうか。設備、サービスをそろえる意図も含まれてはいるのだろうが、どうも資金集めが主眼になっているようにも思えてしまう。オリンピックとスポンサーの歴史を振り返ってみよう。

1980年、国際オリンピック委員会の委員長にフアン・アントニオ・サマランチ氏が就任後、商業主義が加速して企業スポンサード枠が拡大した。1984年のロサンゼルスオリンピック組織委員長のピーター・ユベロス氏がスポンサーを「1業種1社」に絞り、スポンサー料を吊り上げ、黒字を達成した流れがある。

近年、オリンピック開催での経費増大が指摘されている。この問題について、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が「最初から(経費算定の)計画に無理があった」と発言しているが、パートナー締結の特例を増やした背景には、収入の大きな柱であるスポンサー収入を増やしていこうとする運営側の思惑もあるのではないだろうか。

なお、東京2020の当初の収入計画によると、直接的予算の3割強はスポンサー収入を見込んでいた。森会長の「オリンピックに協力をしてくださる企業のみなさんから出していただくのが(運営費の)半分以上」という発言からも見て取れるように、この割合は予算増額にあたって増加されたと考えられる。

スポンサー料金だが、ランク最高位の「ゴールドパートナー」が150億円以上、2番目の「オフィシャルパートナー」は60億円以上と言われている。

6月7日のJR東日本と東京メトロのパートナー締結記者会見で森会長は、「日本で開く日本のオリンピックなので、IOCとの協議の上、日本の中でプラスになるように(2社共存を選択)した」と共存の理由を説明。

広報課は、「オリンピック開催における設備、サービスを手厚くしているという理由もカテゴリーによってはあるかとは思う。こちらとしてはIOCとスポンサーの間で協議が行われ、それで決まったということ」と話していた。

(6/20追記)なお、広報課に「スポンサー契約の費用は特例で2社共存した場合、折半して受け持つ形になるのか、それとも満額ずつ払うのか」と問い合わせたところ、「スポンサー費用に関してはお答えできない」という回答を受けた。
《大日方航》

編集部おすすめの記事

page top