■オン・ザ・ボールでこそ脅威に
体幹の補強に取り組み、練習開始のかなり前にクラブハウスへ到着しては体のケアを入念に施してきた。カードの類こそ提示されなかったものの、相手の悪質なプレーで右足首を痛めたアフガニスタン戦はあえて一線を画し、自身のけがの履歴から削除するように努めている。
代表チームを離脱するときに、ハリルホジッチ監督から熱いエールをもらった。
「フィジカルの部分をもっと鍛えることもそうですし、90分間を通してスプリントできるように、と言われました。今回は海外組と一緒にやることで、やはり大きな刺激を受けたので」
神奈川・麻布大学渕野辺高校から拓殖大学を経て、フロンターレに加入して7シーズン目。小林は自身のプレースタイルの幅を広げるために、独自のテーマを掲げてもいる。
「自分でボールをもって、仕掛けられるようにもならないといけない。まだまだ自分に足りない部分であるし、その分、自分が成長できる部分でもあるので、そこは継続してやっていきたい」
オフ・ザ・ボールだけでなく、オン・ザ・ボールでも相手に脅威を与えるために。代表に定着するための努力を怠らない小林へ、前人未到の3シーズン連続得点王を獲得した大久保もエールを送る。
「得点王争いというプレッシャーのなかで、どれだけできるか。そのためには体のケアをしっかりとやらないといけないし、それができればもうひと皮むけるんじゃないかな」
6試合を終えた段階で3ゴール3アシスト。4勝2分けと唯一の無敗でJ1戦線の首位に立ったフロンターレで、170cm、70kgのボディに巧みさと強さを同居させる異能のゴールハンターが輝きを増していく。
《藤江直人》
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