独占インタビューその1:南ア戦は「最初の2、3分で調子良さ感じた」
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練習するラグビー日本代表・小野晃征選手(サントリーサンゴリアス)。この日は60kgのウェイト
---:エディージャパンは練習量の多さが話題になりましたね。
小野晃征選手(以下、敬称略):誰よりもハードワークしているというか、誰よりも練習していますね。24年間(ワールドカップで)勝てなかった理由は、練習の仕方から変えていかないと勝てないというのがあって。日本は世界ランキングがいつも10位~20位ですが、トップ10のチームに勝つにはそのレベルの意識を持ってトレーニングしないとダメ。
エディージャパンは1日3回、6月には全日程60回練習をして。(ワールドカップの)4週間しかファンの皆さんは見ていませんが、その前の5カ月の練習の成果、もしくはこの4年間やってきたことが4試合で見せることができたのは、選手としては結果も着いてきて嬉しいです。
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---:長期間の合宿だったのですね。
小野:今年は4月3日から160日ぐらい一緒に合宿から大会、アジアの大会とパシフィック・ネーションズ、それ以外に何試合かやってワールドカップに行きました。日本のラグビーは大学ラグビー、社会人ラグビーとあり、それぞれスタイルが違う。JAPAN WAY(ジャパンウェイ)もスタイルが違うので、長い時間をかけて合宿しないとこういう結果を残せなかったかなと思います。
---:1日の練習はどれくらいだったのですか?
小野:1回の練習はざっくり言うと1時間ぐらい。朝は5時半から、終わるのは夜の7時とか。だいたい朝いちは1時間、10時ぐらいに1時間半、夜にも1時間半近くというのを繰り返してきました。
---:サントリーサンゴリアスの練習はどうですか?
小野:朝練がちょっと減って、全体的に強度が落ちます。セミプロは仕事もあるので、うまく時間を使って、試合のパフォーマンスにつながることにしぼって練習しています。サントリーはプロと社員がいます。朝練したあとにチーム練習です。
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体幹トレーニングも欠かさない
---:同じ日本代表、五郎丸歩選手のキック前の"ルーティン"が話題になりました。小野選手には何かありますか?
小野:あー、あったらいいんですけど。真似しようかな(笑)。みんなやってますよね。
---:試合前にシューズを必ず右から履くような、おまじないみたいなものはありますか?
小野:(少し考えてから)ないですね…。みんなピッチに入る時に挨拶とかするじゃないですか。そういう文化もニュージーランドで育ったので知らなくて、最初に(日本に)来た時、みんな何してるんだろうって(笑)。
---:ニュージーランドではそのままピッチに入るのですか?
小野:そのままスルーします。初めて(の日本で)の試合は秩父宮でテストマッチだったのですが、前の選手が挨拶した時にその人に当たりそうになって、「おお~ッ」ってつまづいて(笑)。
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2015ワールドカップ サモア戦
---:ルーティンのある日本代表選手は他にいるのでしょうか?
小野:堀江(翔太)さんは肩をいつもこうやっているんですけど(と腕と肩を広げるジェスチャーをする小野選手)。それを帝京時代からずっとやっていると言っていたので8年くらいやってると思うのですが、ぜんぜん流行らないらしくて「逆に恥ずかしい…」って(笑)。
それを聞いてこれ(五郎丸さんのポーズ)しかないかと思いました。
独占インタビューその3に続く:モチベーションは「やらないと負けちゃう怖さ」
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●ラグビー日本代表・小野晃征に聞く
その1 南ア戦は「最初の2、3分で調子良さ感じた」
その2 エディージャパンは「誰よりも練習」
その3 モチベーションは「やらないと負けちゃう怖さ」
その4 ラグビーのケガは「ケガじゃない」