これから本田圭佑(ACミラン)や香川真司(ボルシア・ドルトムント)、右足骨折の清武弘嗣(ハノーファー)ら欧州組は各国へ戻り、国内組は元旦の決勝を目指して天皇杯の戦いに挑むことになります。
さて、就任から約1年で多くの選手を起用したハリルジャパン。ハリルホジッチ監督は上記2試合のメンバー発表時に「代表メンバーの大枠は35人ほど」と発言し、2016年のW杯アジア最終予選には30名ほどに絞り、2018年W杯ロシア大会には23人となります。
この1年で招集されたメンバーはブラジルW杯から引き続いてだけでなく、新人や復帰組など目新しい選手も多いです。そこで今回は、W杯ロシア大会に向けて活躍が期待される選手をピックアップしてみました。
●武藤嘉紀(ドイツ・ブンデスリーガ/マインツ)
シンガポール戦では2ゴールをお膳立てし、勝利を呼び込んだFW武藤。2014年のアギーレジャパンでの初招集では緊張からか硬さも目立ちましたが、昨今のリーグでの活躍は目覚ましいものがあります。
10月31日に行われた第11節のアウクスブルク戦では、土壇場にチームをドローに導く自身初のハットトリックを達成し、ドイツ国内でもブンデスリーガ屈指の選手と呼び声の高い武藤。今季リーグ6得点と結果を残してきている彼ですが、代表でも積極的に得点を狙う姿勢が徐々に見え始めており、本田、岡崎に変わる点取り屋になれるか注目です。
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武藤嘉紀
●柏木陽介(浦和レッズ)
カンボジア戦で後半から出場し、冷静なプレイで相手の急所を見抜き、左足での正確なスルーパスやクロスで勝利に大きく貢献したMF柏木。人工芝でボールが走らないピッチに苦戦する両チームのなかで、ひとり切れ味の良いプレイを見せていたことは記憶に新しいところ。
1年8カ月ぶりとなる代表復帰でしたが10月の中東遠征から、評価をあげつつある柏木。1998年フランス大会に出場したMF名波浩以来のレフティーボランチで、「最後のワールドカップ」と意気込む司令塔は、ハリルジャパンの生命線となれるのか期待が高まります。
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柏木陽介
●藤春廣輝(ガンバ大阪)
代表初アシストをカンボジア戦で決め、先発フル出場も果たした左サイドバックのDF藤春。8月に行われた東アジアカップ以来の代表復帰となった彼の特技はスピード。バイタルをえぐる俊敏さと攻撃力で所属チームでアピールをしており、ポスト長友の呼び声も高いです。
同じポジションのライバル太田宏介(FC東京)はクロスが得意とあって、藤春も「クロスの精度を高めていきたい」とコメントしています。新戦力に乏しいDF陣のなかで攻撃に守備にアグレッシブなプレーを見せ、代表定着を図りたいところです。
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藤春廣輝
●柴崎岳(鹿島アントラーズ)
10月31日に行われたヤマザキナビスコカップ決勝では、攻守に奮闘し勝利を決定的なものとした3点目を演出したMF柴崎。鹿島アントラーズ3年ぶりのナビスコカップ制覇に貢献したものの、今回の代表招集では選外となりました。
これについてハリルホジッチ監督は、「もっとできると言いたい。彼の人間性も大好きで、本当の向上をしていくと思っている」と、一度代表から外すことでさらなる奮起を促すようなコメントも見られました。
10月のイラン戦ではスタメン出場を獲得するも球際に苦戦し、ゲームメイクができなかった彼ですが、ボランチ争いは激戦区となっており、持ち前の攻守に優れたプレーに生き残りをかけたいですね。
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柴崎岳
●南野拓実(オーストリア・ブンデスリーガ/ザルツブルグ)
10月に初招集された代表最年少のFW南野。U-22の日本代表も兼ねている若手は、今季公式戦で10得点をマークするなど異国の地で活躍を魅せています。ザルツブルグのペーター・ツァイドラー監督も「計り知れない可能性を感じる」と絶賛。
カンボジア戦では後半43分から投入され、出場時間は短かったものの、ボールに絡みたいという積極的な姿勢を見せていました。今後は練習でアピールをし、より長い時間ピッチでプレーすることで代表初得点の日も遠くないかもしれません。期待の超新星が得点力不足に悩む日本の救世主になれるか、楽しみですね。
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南野拓実
以上、今後に期待のかかる選手たちを紹介しました。次の代表戦は2016年3月と少し間はあきますが、代表争いに生き残るためにも、ヨーロッパ冬の移籍市場も含めて選手たちの動向に注目です。