【山口和幸の茶輪記】日向涼子、ツール・ド・フランスの1区間「エタップ・デュ・ツール」を完走 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】日向涼子、ツール・ド・フランスの1区間「エタップ・デュ・ツール」を完走

オピニオン コラム
日向涼子、ツール・ド・フランスの1区間「エタップ・デュ・ツール」を完走
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美しすぎるモデル、日向(ひなた)涼子がツール・ド・フランス第19ステージ、サンジャンドモリエンヌ~ラ・トシュール間142kmを見事に完走した。7月19日に行われた一般参加レース「エタップ・デュ・ツール」に挑戦したもので、暑さもあってこれまでで最も厳しいコースだったという。

積算の登坂高低差は4319m。アルプスにそびえる3つの山岳を上ってゴールを目指す。参加者数は1万4000人で、ツール・ド・フランスの大舞台に挑戦してみたいと夢見てトレーニングを積み重ねてきた走り屋ばかりだ。

日本では自転車愛好家として知られ、自転車イベントのゲストやトークショーなどで人気の日向が、これまでの集大成ともいうべき壮大な目標を設定したのは昨年。以来、エタップ・デュ・ツールのために、苦手だったダウンヒルや集団走行のテクニックを磨くなど着実に準備してきた。上り坂が得意と評されるが、「ホントは好きじゃないんです」と本音ももらした。

■勝負どころ、第19ステージの山岳ステージに挑む

前日、ゴール地点となるエントリー会場へ行くために最後の峠をバスで上っているうちに、「最後の最後でこれかあ」と山岳の厳しさに驚いた。「感慨深いような、不安が募ったような気持ちになった」という。それでも「日本とは異なる風景、文化、気候に感動したり楽しんだりする気持ちを忘れず、ツラい中にも喜びを見つけたい」とスタート地点に立った。

コースはツール・ド・フランスの勝負どころとなる超難関ステージだ。周囲は口に出さずとも「ムリだろー」という気持ちがあることを本人は察知していたが、「もちろん完走を目指します」と言い続けてきた。意志の強さは彼女の持ち味だ。そして10時間53分10秒で完走を果たした。


日向涼子が「エタップ・デュ・ツール」を完走

ゴール直後に涙が出たのは、このチャレンジをいろいろな人が応援してくれて、その責任が果たせたという安堵から。過去19回出場の参加者が、「暑さもあってこれまでで一番過酷なエタップだった」とゴール後に語っていた。途中のカテゴリー超級の峠を上る日向を目撃したという参加者は、「いいペースで上っていたから間違いなく完走できるでしょう」と伝えてくれた。

猛暑のエタップ・デュ・ツールだが、UVアームカバーとタイツ、フルフィンガーグローブ着用で走るのがモデル。しかもほとんどの参加者は乾いた汗で真っ白になったジャージでゴールしてきたが、まるで新品同様のジャージ姿で日向がゴールしたのにはビックリした。そしてゴール後にこの表情ができるのがモデルだと思った。

上り坂はツラいので普段はあまり走りたくないと言うが、「フランスの峠道はあまりにも美しく、いつまでも上っていきたい気持ちになります」という。

「日本に帰って自分が走った第19ステージを見るのが楽しみです」と笑った。
《山口和幸》

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