【THE REAL】香川真司はなぜ日本代表で輝かないのか…不完全燃焼感が募るパフォーマンス 3ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】香川真司はなぜ日本代表で輝かないのか…不完全燃焼感が募るパフォーマンス

オピニオン コラム
香川真司(2015年6月16日)
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たとえば、日々の練習でミドルレンジから放つシュートの精度を上げることも必要だろう。シンガポール戦翌日に会ったセレッソ時代の先輩、FW大久保嘉人(川崎フロンターレ)からも伝授されたように、エゴイスティックな面を遠慮することなく押し出すことも状況によってはプラスに働くかもしれない。

■コンディションやパフォーマンスではなく、メンタルに問題?

マンチェスター・ユナイテッドでの2シーズン目。当時のデイビッド・モイーズ監督に実質的に干され、試合勘を失ったことが日本代表でのプレーにも悪影響を与えたと、幾度となく指摘されてきた。

しかし、昨年9月に古巣へ復帰し、曲がりなりにも試合出場を続けてきた。香川本人も「結果が出ていないときも集中してトレーニングをしてきた」と、ドルトムントで積み重ねてきた努力が終盤戦でのパフォーマンスの向上につながったと力を込めていた。

ならば、苦しみながらも右肩上がりに転じさせた軌跡が、ハリルジャパンでの結果に結びつかない理由は何か。香川のコンディションやパフォーマンスではなく、メンタルのほうに問題があると言わざるを得ないだろう。

シンガポール戦では最初の交代カードが切られた後半16分に、FW大迫勇也(ケルン)と代わってベンチへ退いた。左右からのクロスを多用するため、ゴール前の人数を増やした。バヒド・ハリルホジッチ監督の意図を頭では理解していても、やはり複雑な感情がこみ上げてくる。



FIFAランク154位のシンガポール相手に、まさかのスコアレスドローに終わった試合後の取材エリア。香川は「悔しい」と漏らした後にひと呼吸置いて、胸のうちをさらけ出した。

「これが自分の現状。これが自分の実力。点を取れていないことと、結果を残せていないことが実力。ホームでこういう戦いをしてしまって本当に申し訳ないけど、前を向いて練習していくしかない」

世界基準を掲げるハリルホジッチ監督のもと、ポジションが約束されているとは思っていない。ふがいないパフォーマンスが続けば、居場所を剥奪されることも覚悟している。

「僕たちは世界で勝てていないのだから、厳しい要求をされるべきだと思っている」

チームの大黒柱が背負う「10」番を託されて5年目。厳しい言い方になるかもしれないが、日本代表と香川のパフォーマンスがハイレベルでリンクした試合はほとんどない。

真のエースとして3年後のロシアの地へ捲土重来を期すのか。あるいは、「10」番を背負ったごく普通の選手のまま不完全燃焼の思いを募らせ続けるのか。ハリルジャパンの中心で輝けるか否かは、香川がメンタルを変えられるか否かにかかっている。
《藤江直人》

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