【Next Stars】アメリカで修士課程獲得、異色の経歴をもつUFC格闘家…松田干城選手 2ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Next Stars】アメリカで修士課程獲得、異色の経歴をもつUFC格闘家…松田干城選手

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【Next Stars】アメリカで修士課程獲得、異色の経歴をもつUFC格闘家…松田干城選手
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■世界トップレベルのプレーヤーたちと練習

---:この競技に出会った経緯を教えてください。

松田:元々格闘技をするためにアメリカに渡ったわけではありません。学部生としてスポーツ科学を勉強するために行きました。そこで通っていたジムで、世界トップレベルのプレーヤーたちと一緒に練習しているうちに本格的に競技を続けるようになり、いつしか彼らと同じようにトップレベルの場所で活躍したい、と思うようになっていきました。

アメリカではその想いを否定するような声もなく、「お前ならできるよ」という声をかけてくれます。そういった環境に背中を押されて「やれるところまでやってみよう」という気になっていきました。それがきっかけですね。

---:当初の目的、スポーツ科学分野を勉強しようという想いはどういうものでしたか?

松田:野球少年だったんですよ。でも、いわゆるベンチ外というやつでした。ですが、格闘技をはじめ、試合に出れるようになるともうその時点で自分が主役じゃないですか。だから、高校のときに叶わなかった夢が一気に叶っちゃったんですよ。

スポーツ科学を学びに行ったのはもちろん自分のためだったのですが、結局はコーチとか、教える立場ですよね。例えば、「○○キロ痩せたい」と言う人にアドバイスをしたり、競技をしている選手に科学に基づいた練習プログラムを立ててあげるとか。しかし、18歳のときに、人のサポートをするためのキャリアを積んでいくことに疑問を感じたんです。「俺はまだ主役にもなっていない、もっとやれるぞ」と。



そういった思いがあったままアメリカに渡って、格闘技を本格的にやっていく中で、自分の本来の夢というか、そういったものが固まっていったという感じなんですね。もちろん自分がしているトレーニングや減量といった部分に学んでいることの知識は生きてきていますし、現役が終わったあとも、ファイターとして活動してつかんだこと、また、科学的に学んだことを活かして他の選手にサポートしていくといったことも長い目で見たらできます。

なんとなく「日本のスポーツ界に貢献したい」という漠然とした思いが昔からあったのですが、アメリカに行って、どう貢献するか、自分自身はどう活動していくのか。そういった具体的なビジョンというものはなく、若さと勢いでアメリカに行ったという感じなので…。ただ、その気持ちはキャリアや諸々思い描いていたところに変化があったとはいえ、根本に持ち続けている気持ちですし、これからも持っていく気持ちだと思います。

---:漠然とした思いで渡米することはハードルが高いと思うのですが?。

松田:自分が日本にいた頃は「スポーツ科学」を勉強できる大学というのがほとんどなかったんです。

---:早稲田大学くらいしかイメージがありませんね、確かに。

松田:そうですね、あとは順天堂大学などでしょうか。それらの大学を志望校にする、ということがピンとこなかったんです。そんなとき、高校時代の友人が「アメリカの大学」という選択肢を教えてくれて。

アメリカの大学は、専攻など自分に合わなかったら辞める、というようなことが簡単にできるんです。そういった柔軟な部分に惹かれたのと、単純に日本より進んだスポーツ科学分野の魅力。あとは、野球、アメフト、ホッケー、バスケットといった4大スポーツを、スポーツ科学を勉強する上で間近で見ることができるという事実は、日本では味わえない部分だと考えたというのもあります。

また、学費の面でも、下手に日本で独り暮らししながら私大に通うよりは、アメリカの大学に行った方が安上がりだったりもしたので。色々とそういった部分を天秤に照らし合わせて、アメリカの大学の方がいい、と決めた感じにはなります。

初めはろくに英語も話せなかったのですが、格闘技が英語を話すきっかけを与えてくれました。やっぱりどの街に行っても日本人はいますし、結局そこで群れてしまうのというのもある中で、自分は慣れない英語の中でコミュニケーションを必死にとろうと努力したので…。

「日本のスポーツ業界に貢献したい」という渡米前の思いと、渡米してから新しく得たものなどが色々と自分の中で混ざり合って、現時点では自分が日本人ファイターとしてアメリカで活動していくことが、格闘技業界だけに限らず自分が日本のスポーツ業界のためにできることなんじゃないかという結論に至って、ここで頑張っているのです。

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《大日方航》

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