■サイクリングのあとは地元の特産物に舌鼓
こうして起伏に富んだ絶景コースをサイクリングしたあとは、温泉宿で汗を流し、地元の特産物に舌鼓を打つというのが恒例のパターン。アワビやホヤ、カキやめかぶなどの海の幸はどれも新鮮でホントにおいしい。これが三陸をサイクリングする醍醐味だ。
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南三陸町の防災対策庁舎
陸前高田市は以前、「南三陸サイクルロード」という自転車愛好家向けのレースを20年間続けていた場所だ。震災前にその歴史は途絶えていたが、震災の翌年に「元気を取り戻そう」とこの地を舞台にした自転車イベントが復活した。それがサイクリング大会の「ツール・ド・三陸」だ。
「ツール・ド・三陸」は被災地の市内ど真ん中を通り抜け、風光明媚な広田半島のアップダウンを一周して戻ってくる。走るだけではなく、ところどころで立ち止まって地元の語り部の話を聞いたり、沿道で応援してくれるお年寄りと話をしたり写真を撮ったりする。こうして地元とふれ合い、復興していくさまを見届ける、記憶の風化をさせない、という思いで走ってもらおうという趣旨だ。
【リアス式海岸の三陸はサイクリングに厳しいコースだが、訪れる価値は十分 続く】