【澤田裕のさいくるくるりん】自転車で、鉄道遺産を巡る…奥多摩にも春の訪れ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】自転車で、鉄道遺産を巡る…奥多摩にも春の訪れ

オピニオン コラム
片上から和気に向かう途中にある峠清水トンネル(片鉄ロマン街道)
  • 片上から和気に向かう途中にある峠清水トンネル(片鉄ロマン街道)
  • 天に向かってすらりと伸びた橋脚(水根貨物線)
  • 民家の背後にも鉄道の橋脚が(水根貨物線)
  • 生い茂る草に覆われたレール(水根貨物線)
  • 樺穂駅のホーム跡。桜の季節には花見が楽しめる(つくばりんりんロード)
  • 軌道の勾配を示した勾配標。10m進んで28.6cm上ることを示している(片鉄ロマン街道)
  • 休憩所として利用される苦木駅の駅舎(片鉄ロマン街道)
  • 吉ヶ原駅に動態保存されている片上鉄道の車両(片鉄ロマン街道)
2014年9月11日公開の当コラムで紹介した青春18きっぷを使って、奥多摩方面に出かけました。7カ月前と同様、今回も自転車ではなく歩きです。奥多摩駅で路線バスに乗り継ぎ、向かった先は奥多摩湖。ここから「奥多摩むかし道」をたどって、駅まで引き返すプランです。

■春の訪れを探りつつ散策を楽しむ

奥多摩町氷川地区から小河内地区までの旧青梅街道を巡る歴史の道には山道のような区間がある一方、大半はクルマも通れます。ただし行楽シーズンには渋滞も発生する幹線道路とは異なり、1.5車線ほどの細い道ではクルマを見かけることはまれ。新緑にはまだ早い山並みに春の訪れを探りつつ、3時間ほどの散策を楽しみました。

ところで、このコース後半のハイライトとなるのが鉄道遺産です。天に向かってすらりと伸びた橋脚、生い茂る草に覆われたレール、ぽっかりと口を開けたトンネルと、ひと目でそれとわかるポイントが点在しています。これは小河内ダムを建設する際、大量の資材を運ぶために敷かれた水根貨物線のもので、その役割を終えて60年近く経つ今も、壊されることなくその姿をとどめています。



民家の背後にも鉄道の橋脚が(水根貨物線)


もちろんこちらを自転車で巡ることも可能ですが、途中には階段や山道もあるため、中・上級者向けといえましょう。対して初心者にお勧めなのが、軌道跡をそのまま自転車道として整備しているものです。よく知られたものとして茨城県のつくばりんりんロード(筑波鉄道筑波線跡)、岡山県の片鉄ロマン街道(同和鉱業片上鉄道跡)、福岡県のメイプル耶馬サイクリングロード(耶馬溪鉄道跡)が挙げられます。いずれもホームや踏切、橋脚といった鉄道遺産が残されており、サイクリングと遺産巡りを同時に楽しむことができます。また、片鉄ロマン街道は吉ヶ原駅に当時の車両が動態保存され、毎月第1日曜には有志による展示運転まで行われています。

【自転車で、鉄道遺産を巡る 続く】
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