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東京都、広域交通計画の中間報告を発表…鉄道5線区盛り込む

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東京都が「整備効果が高いことが見込まれる」とした5線区。羽田空港アクセス線以外は2000年の答申に盛り込まれていた。
  • 東京都が「整備効果が高いことが見込まれる」とした5線区。羽田空港アクセス線以外は2000年の答申に盛り込まれていた。
  • JR東日本の構想している羽田空港アクセス線のルート。東海道本線貨物支線を活用する。
  • 練馬区大泉学園町内にある、都営地下鉄大江戸線の延伸を求める看板。18号答申では光が丘~大泉学園町間が「目標年次(2015年)までに整備着手することが適当である路線」とされていた。
東京都都市整備局は3月6日、広域交通ネットワーク計画の「中間まとめ」を発表した。東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線の豊洲~住吉間など5線区を整備効果の高い路線とし、各線区の課題などを明らかにした。

「中間まとめ」などによると、現在の首都圏における鉄道整備は、国の運輸政策審議会(現在の交通政策審議会)が2000年に取りまとめた基本計画(運政審18号答申)に基づき進められている。この答申の目標年次が2015年となっていることから、国土交通大臣は2014年4月、交通政策審議会に東京圏の今後の都市鉄道のあり方を検討するよう諮問。2015年度中には運政審18号答申に代わる新しい基本計画(次期答申)が策定される予定となっている。

これを受けて東京都も2014年5月、学識経験者などで構成される委員会を設置。次期答申に向けて東京都としての鉄道整備計画の考え方をまとめることとし、鉄道ネットワークのあり方などについて調査検討を進めている。このほど各路線の整備効果などの調査が進んだことから、運政審18号答申に盛り込まれた路線を中心に、未着手の路線について現時点での検討状況を取りまとめた。

都市整備局の発表によると、「中間まとめ」では東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線に相当する東京8号線分岐延伸部の豊洲~住吉間、都営地下鉄大江戸線に相当する東京12号線延伸部の光が丘~大泉学園町間、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面延伸と町田方面延伸、JR東日本の羽田空港アクセス線の5線区を「整備効果が高いことが見込まれる」路線としている。

このうち羽田空港アクセス線については、実現に向けての課題として「事業費や事業計画の深度化」を挙げ、さらに「関係機関による十分な調整」も必要とした。東京8号線の分岐延伸部は「(採算性確保のため)加算運賃等の利用者負担を設定するなど既存の補助制度以上の資金を確保することが前提」とし、事業スキームなどの検討の深度化が必要と指摘。東京12号線延伸部は「沿線まちづくりの具体化等による将来的な輸送需要の確保が必要」とした。

多摩都市モノレールは、箱根ヶ崎延伸部の導入空間となる道路整備には既に着手しているものの「収支採算性確保の観点から、将来の輸送需要動向を十分に見極める必要がある」と指摘。町田方面への延伸については、導入空間となる道路の都市計画がない区間もあることから「事業主体を含めた道路整備計画や事業手法の検討が必要」とした。

運輸政策審議会(現在の交通政策審議会)が2000年にまとめた東京圏の鉄道整備基本計画(運政審18号答申)では、東京8号線分岐延伸部と東京12号線延伸部、多摩都市モノレール箱根ヶ崎方面延伸を「目標年次(2015年)までに整備着手することが適当な路線」、多摩都市モノレールの町田方面延伸を「今後整備について検討すべき路線」としていた。羽田空港アクセス線は盛り込まれていないが、同線の整備に際して活用することになる東海道本線貨物支線の旅客線化などが「今後整備について検討すべき路線」として盛り込まれている。

東京都は今後、次期答申の議論や検討状況を見ながら2015年度に都の考えを取りまとめ、国に提出する方針だ。
《草町義和@レスポンス》

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