【LONDON STROLL】プレミアリーグで進む、移籍条件の厳格化の可能性 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【LONDON STROLL】プレミアリーグで進む、移籍条件の厳格化の可能性

オピニオン コラム
岡崎慎司 参考画像(c)Getty Images
  • 岡崎慎司 参考画像(c)Getty Images
  • 宮市亮 参考画像(c)Getty Images
1月の冬の移籍シーズンにイングランドで噂にのぼった岡崎慎司。このプレミアリーグへの移籍は噂と消え、今回もプレミアリーグへ移籍した日本人選手はいなかった。

LECISTER CITYへの移籍話の噂が現地英国でも幾度か報じられていただけに、日本人プレミアファンにとって気になっていたニュースだろう。

得点力不足・FWの人材不足と長年言われ続けている日本代表。しかし昨シーズン、ヨーロッパのリーグで日本人選手最多得点記録を塗り替えたMAINZの岡崎。今シーズンの前半戦も8ゴールと、リーグで結果を出し続けている彼に注目が集まるのは必然だ。本人もイングランドへの移籍は前向きに考えていたかもしれない。

MAINZが移籍金に納得できなかったと言われているが、移籍先候補に挙げられたLECISTER CITYはプレミアリーグで現在最下位。その打開策として、彼に白羽の矢を立てた事は間違いないだろう。しかし、冬の移籍ですぐにゴールという結果を出せなければ、このまま降格圏を抜け出せず、下部リーグへと降格してしまうという不安要素も足かせになったのかもしれない。

年齢的にも、ヨーロッパでは最後の移籍となるだろう。アジアカップでは日本のCFとして出場も、1ゴールとFWとして物足りない結果に終わってしまった彼だったが、クラブに戻り前半戦同様のゴールを積み重ね、この夏のプレミアリーグ移籍へと、弾みをつけて欲しい。

■海外選手のプレミア移籍条件が厳格化

しかし、日本人選手のプレミアリーグ移籍に関し不安要素がある。それは、プレミアリーグの移籍条件改正の可能性である。

現在、日本など非EU国籍選手が、プレミアリーグなど英国の各リーグでプレーするためには、英国の労働許可証を取得しなければならない。その内容はFIFA(国際サッカー連盟)ランキングが70位以上の国の選手で、自国フル代表として、過去2年間の公式戦の出場率が75%以上であること。これまで英国でプレーした多くの日本人選手はこの条件をクリアし移籍してきている。

ARSENALに移籍した宮市亮は、代表歴がなかったために労働許可証が下りず、オランダリーグで半年を過ごす中で徐々に活躍が認められ、その後若手選手への特例もあり、英国でプレーすることができるようになった。しかし、 日本人選手への特別措置は非常に難しいのが現実である。






■宮市のような移籍パターンがなくなる?

現在提出されている新しい規定案は、FIFAランキング70位以上が50位以上に変更。FIFAランキング30位以内の選手は、過去2年間の自国フル代表としての公式戦への出場率は30%以上、又はFIFAランキングや代表出場歴に関係なく、移籍金1000万ポンドもしくは1500万ポンド以上の選手となる。そして英国の労働許可証の発給は、プレミアリーグのクラブでプレーする選手に限るため、下部リーグへの移籍ができないということだ。また、 他クラブへローン移籍した選手が、英国の労働許可証の発給を受けて英国へ戻ることを防止するといった様に厳しくなる。つまり、この案が可決されれば、宮市のようなケースがなくなる可能性がある。

グローバル化するこの現代のなかで、自国選手への措置という見解から、出て来た法案であるが、実行されれば今後プレミアリーグに海外の優秀な若手が集まりにくくなり、プレミアリーグの質の低下などの様々な問題が生じる可能性が想定されるため、まだまだ慎重に対応されるだろう。この夏のからの施行とはならないかもしれないが、日本人選手移籍のハードルが高まる傾向にあるのは事実である。
《Takaharu Osako》

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