2014年大会は、アジア初のチャンピオンとなった丸山珈琲の井崎英典さんの登場により、ますます日本で認知度を上げた。
「コーヒー/エスプレッソ」と言うと、イタリア人をイメージしがちかもしれない。しかし実は、その初代優勝者はノルウェー・オスロから輩出されているのである。そして過去14回の大会の中でノルウェー人の優勝は2回あり、まさに「コーヒーの街」と言っても良いかもしれない。(実は、この大会、イタリアが開催地になった事はあるが、イタリア人の優勝は未だない。)
◆初代王者の店、ノルウェーのJAVAを訪れた
まずは、初代王者 ROBERT THORENSEN。ノルウェーのコーヒー業界を引っ張ってきた、草分け的存在の彼が経営するお店「JAVA」を訪れた。お店の外の看板には“自家焙煎 美味しいコーヒー淹れてます! ヤヴァ”と書いてある。一瞬、日本語の記載でややテンションは下がったものの、店内のスタッフに尋ねたところ、やはり日本人女性スタッフが働いてるそうだ。物好き凝り性の日本人気質は世界でも健在だ。実際にお会いする事はできなかったが、バリスタチャンピオンを目指して頑張って欲しい。
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店内には、美味しそうなパンやチョコレートも並んでおり、 店員さんおすすめのスコーレブロー(ノルウェー版ココナッツ&クリームパン)とカフェラテをオーダー。 コクがあり適度なミルクの量とスコーレブローの甘さで、寒さから解放された様な充実感。暗い北欧の冬を、少しの間だけ忘れさせてくれる暖かさが嬉しかった。
◆オスロコーヒーのヒーロー
次に向かったのは、2004年優勝者が2007年に自身の名前を掲げオープンした TIM WENDELBOE。オスロコーヒーのヒーローと親しまれる彼のお店は、立地も街の中心部にあり、次から次へと多くの人が出入りする超人気店だった。
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入ってすぐに目に入るのはマイクロロースター。その向かいには、自慢の自家焙煎のコーヒー豆達。 先ほど紹介したJAVAもそうだったが、250gで140ノルウェー・クロネ前後(2200~2300円)の価格帯が一般的と言えるようだ。それなりに高級ロースト達だが、両店で何袋かお土産に購入してみた。
ノルウェーの物価の高さは、買い物する度にロンドンで暮らす私でさえ驚く。そして店内奥には、バリスタにちなんでポルタフィルターのトロフィーがずらりと並ぶ。
店員さんにおすすめのコーヒーを入れてもらった。ここはコーヒーを注文すると、お水まで付いてくる。コクがあり、やや酸味が強く、そしてどことなく甘く美味しい。
こじんまりとした店内の片隅には席が数席、コーヒー愛好家達の憩いの場所となっているようだ。たとえ立ち飲みだとしても、ついついゆっくり長居したくなる、居心地の良さも彼のお店の魅力の一つだろう。
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意外と知られてない北欧コーヒーの国、ノルウェー。程よい大きさの街のオスロ、ぶらぶらと街を歩きながら、バリスタ・チャンピオン達のコーヒーを味わい休憩する旅も面白いかもしれない。
それでもバスの初乗りが50ノルウェー・クロネ(約800円)もするこの国の物価の高さにドキドキしながらの旅であった。