【THE ATHLETE】41歳のイチローに下された評価、マーリンズのオファーを地元はどう見ている | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE ATHLETE】41歳のイチローに下された評価、マーリンズのオファーを地元はどう見ている

オピニオン コラム
イチロー 参考画像(c)Getty Images
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  • イチロー 参考画像(2014年9月16日)(c)Getty Images
  • イチロー 参考画像(2014年9月11日)(c)Getty Images
  • イチロー 参考画像(2014年9月27日)(c)Getty Images
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  • イチロー(2014年9月28日)(c)Getty Images
  • ジーターとハグするイチロー(2014年9月28日)(c)Getty Images
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昨年10月のワールドシリーズから約3ヶ月。選手たちは自主トレを始め、来月には春季キャンプを迎える。

アメリカでは日米野球でデッドボールを受け、右足を骨折したシアトル・マリナーズのロビンソン・カノが、故郷ドミニカのウィンターリーグに参加し問題ないことをアピールした。

マリナーズと言えば多くの日本人選手が在籍していたことで馴染み深い。現在も岩隈久志が同チームでプレーしている。だがなんと言ってもマリナーズの日本人選手で最初に思い出されるのは、2001年から2012年シーズン途中まで在籍したイチローだろう。

日本人野手は非力だから通用しないと言われながら、渡米1年目で首位打者と盗塁王、年間MVPと新人王のW受賞という離れ業をやってのけた。90年代の華やかなホームラン合戦が薬の力で演出されていたと知り、従来の野球に飽きていたファンの目にもイチローのスピードとテクニックは新鮮に映った。

イチローは2000年代を代表する偉大なプレーヤーだが、今季は所属先が決まらないまま年を越えてしまった。近年の打撃成績の低下や、41歳という年齢を考えれば仕方ないことだが、日本人としては寂しく感じている。

イチローにはダイヤモンドバックス、オリオールズ、ブルージェイズなどが興味を持っていると報じられてきた。しかし、いずれも具体的な話はなく、興味の範疇を出なかった。それがここにきて、にわかにマーリンズが獲得の意思を示していると報じられた。

マーリンズの地元紙マイアミ・ヘラルドは「マーリンズがイチローに1年200万ドル(約2億3600万円)の契約を用意している」と伝えた。


MLB公式サイトでは、マーリンズがイチローに提示するのは2年契約と報じていたが、マイアミ・ヘラルドなどは単年と伝えている。

今後どう動くか分からないが、現時点での現地メディアの評価や声をまとめながら、この契約を少し掘り下げてみたい。

まず大前提としてあるのは、マーリンズもイチローをレギュラーとは考えていない、あくまで”第4の外野手”と位置づけていることだ。年俸200万ドルの評価にも表れている。

ヤンキースでの2年間、イチローの年俸は650万ドルだったから、3分の1だ。

マーリンズの外野はメジャー屈指の飛ばし屋ジアンカルロ・スタントンを筆頭に、強力なバッターが揃っている。昨季ホームラン1本に終わり、ノー・パワーと評価されたイチローが彼らの中に割って入るのは、難しいだろうというのが現地の声だ。

イチローはチーム戦術の中でオプションの役割、スピードや守備のスペシャリストとして求められている。

マイアミ・ヘラルドのバリー・ジャクソンは「まだ確実ではないが、マーリンズ関係者はこの契約に楽観的だ」としている。一方MLB.comでこの件を報じたアダム・ベリーは「引っかかるとしたら契約年数だろう」と書いている。

「14年間で2844本のヒットを打っているイチローは、メジャー通算3000本安打まで156本と迫っている。控え外野手扱いであれば、達成には2年を要するだろう。そのため複数年契約を提示してくれるチーム待ちなのではないか」という論調だ。

確かに記録にこだわるのであれば、2年は必要になる。加えて年俸200万ドルのバックアップでは、それほどチャンスをもらえない可能性もある。例年のイチローは春先あまり調子が上がらず、暖かくなるにつれ快音が聞こえ出す。開幕当初は少し辛抱してもらう必要あるが、高額契約したスター選手ならともかく、控え野手にそこまで付き合ってくれるかは分からない。

200万ドルは端金ではないが、メジャー選手の年俸としては高くもない。

もしイチローがオファーを断った場合、マーリンズは控え外野手を獲得するためトレード、もしくはフリーエージェント中のネイト・シャーホルツと契約を結ぶと予想されている。ジャクソンは「シャーホルツはイチローと同じ左打ちの外野手で、キャリアの大半を右翼手として過ごしてきた」と紹介した。

マーリンズから提示された条件は、イチローにとって難しいものだ。現役を続けることはできるが、打者としてはチャンスが限られるだろう。オリオールズなどからのオファーも待ちたい。しかし、あまり引き伸ばしすぎると、シャーホルツという代役の具体的な名前も出ている。

マイアミ・ヘラルドは「41歳でもまだイチローはやれる」と、過去3シーズンの成績を紹介しながら、この契約について書いた。その思いは日本のファンのほうが強く持っているはずだ。

近日中に大きな報せがあるか注視したい。
《岩藤健》

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