【疋田智のバイシクル物語】子供番組に自転車を? | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【疋田智のバイシクル物語】子供番組に自転車を?

スポーツ まとめ
ママの友達が焼いてくれたオリジナルの妖怪クッキー
  • ママの友達が焼いてくれたオリジナルの妖怪クッキー
  • イブがあけたらサンタさんが置いててくれてたよ
  • もう夢中でカメラの方なんて見やしない(次男)」
  • オートバイがどこにもない最新ライダーの吊り広告
  • 彼らの格好は前作の”仮面ライダー鎧武”です
いやもう、皆さんご承知の通り、クリスマスイブはテレビも新聞も「ゲラゲラポー」だらけだった。私の長男(6)も次男(4)も「サンタさんには妖怪ウォッチを頼むんだ」「ぼくは零式」と、ふた月も前から言っていて、25日朝、歓喜の中、実際に手にした。主人公のケータくんが持っているのと(見た目は)ほぼ同じ。やるな、バンダイナムコ。

実際にこのアニメ、よくできているのだ。大人が見ても面白いくらいに。昭和40年代、50年代生まれのパパやママが喜ぶようにか、ニャンぱち先生(ジバニャンが金八先生)だの、ブラックジャック(ジバニャンがピノコ)だの、真っ白に燃え尽きたぜ(ウィスパーがジョー)だののパロディが随所に仕込まれていて(子供がパロディ元を知るわけがないというのに)「くーっ、親をツルか、あざとい、でも、分かってるなぁ」と思わせてくれる。

そういうわけで、もう参ったゲラゲラポー。ただ、アニメを見ていてふと気づいたのが、出てくる子供たちが見事に自転車に乗らないなぁということなのだ。自転車で遠出などもってのほか。すべてが狭い町の中で完結し、子供もその中でおとなしく遊んでる。そうそう「危ない遊び」というのもほぼ出てこない。五寸釘を投げて地面に刺したり(宮崎県日南市では40年前に流行っておりました)、崖の下に秘密基地を作ったりする(やめなさいって)遊び。きっとPTAなどがうるさいんだろうね。子供が真似して怪我したらどうするんだ、なんて。おそらく自転車もそういうカテゴリーの中なんだ。

そういや、40年前の「仮面ライダー」には「少年ライダー隊」とか称して、子供たちが自転車を乗り回して、ショッカーの動きを探る、なんて設定だってあったものだ。自転車は子供番組のいわば必須アイテムだった。

そうそう、その「仮面ライダー」の話よ。
最近聞いて驚いたんだけど、今回で26作目、43年目の仮面ライダーは、2輪車に乗らない。シリーズで初めて4輪車「シフトカー」に乗ってるのだそうだ。ふむ、それはすでに「ライダー」じゃないがね。言うなれば仮面ドライバー(笑)。

おそらく現代のこどもたちは、オートバイというものに憧れを抱かなくなってしまったんだろう。身近に乗ってる人も少ないし、乗ってるとしてもお祖父ちゃん(彼らにとって)の世代ばかり。あまりカッコいいイメージがない。むしろ現代の子たちが好きなのはワンボックスカーだ。あれらのふかふかシートに座って携帯ゲームに興じてる。困ったもんだ。

しかし、自転車乗りの私は考える。
どうせオートバイから降りてしまうならば、次回作は「仮面ライダー・ローディ」というのはどうであろうか。もちろんローディとは「ロードバイクに乗る自転車乗り」の意味だ。

悪者は糖尿病を蔓延させるシュガーゴブリンや、地球温暖化を画策するカーボンバーンなどになろう。ロードバイクなら「ライダー」の称号もかろうじて守られるし、エコイメージがいい。

ドロップハンドルや、チェーンホイールなんて、素早くはずして、パッと投げたら必殺技になりそうだ。
《疋田智》

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