今年の2月に当時婚約者だった妻のジャネー夫人をエレベーター内で殴ったとして、暴行罪で逮捕、起訴された元ボルティモア・レイブンズのレイ・ライスが、出場停止処分を解除され復帰することが分かった。現地28日に米国メディアが報じた。
ライスは2月にジャネー夫人と口論になり、エレベーター内で顔面を殴打。夫人は失神し床に倒れた。当初この事件は全容が分からず、リーグはライスからの聞き取り調査を基に彼に2試合の出場停止と罰金を科した。
だが9月にエレベーター内部のビデオ映像が公開されると、軽く手が当たってしまったでは済まない暴力に非難が殺到。オバマ大統領まで公式にコメントを出す事態に発展した。
レイブンズはライスを解雇し、リーグは無期限の出場停止処分を追加で科した。この追加処分が不当だとし、ライスは法的に争っていた。
争点はライスが自分の行為を意図的に隠した、深刻な暴力はなかったとリーグのコミッショナーに思いこませたのではないか、という点だった。判事はライスがコミッショナーを欺いた疑惑について、「断定できない。確かな証拠がない」とし、彼の主張を認めた。
ライスは出場停止処分を解かれ、今後はフリーエージェント選手として、すべてのチームと交渉が可能になる。NFLはスター選手に甘いと批判されることも多く、今回の件では厳しく対応したが、世論におもねった停止処分は正当性がないと判断された格好だ。
解雇前は万能型のランニングバックとして知られたライスだが、「必要とするチームはあるだろうけれど今年の復帰は無さそうな気がする」「DV事件で完全に悪いイメージがついた選手をFAで獲得する球団があるのだろうか」「今季というより来季以降に向けて取っておくのもアリかもよ」など復帰には賛否あるようだ。
《岩藤健》
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