それは17試合、日数にして368日ぶりの勝利だった。AFC西地区で0勝10敗、4位と低迷。昨年から続く連敗記録を16に伸ばしていたオークランド・レイダースが、7勝3敗で2位につけていたカンザスシティ・チーフスを破り、まさかの今季初勝利を挙げた。
首位デンバー・ブロンコスと同率、直接対決の差で2位に収まっているチーフスとしては、最下位レイダースに取りこぼしは絶対許されない試合だった。
試合は第2Qまでレイダースが14対3とリード。しかし、ここからチーフスも猛反撃を開始、第4Q残り9分で17-20と逆転されてしまう。また今日も負けるのか。17連敗がファンの頭を過ぎる中、レイダースは新人QBデレック・カーを中心に必死の反撃を試みる。
時間を使いながらも確実に前へ進むレイダース。ランでファーストダウンを更新し、時計は残り1分46秒で止まる。タッチダウンまでは9ヤード。
レイダースが選択したのはパス。カーの手を離れたボールは、敵のマークを振り切り走っていたジェームズ・ジョンソンの手に収まる。ラスト1分42秒での逆転タッチダウン。
決められた瞬間、チーフスの選手は信じられないといった面持ちで呆然としていた。
劇的な結末にチーフスの勝利を予想していたファンも驚いている。
「試練でしたがカーにとっては絶対プラスになります」「昨年王者シーホークスに勝ったチーフスが、今季全敗のレイダースに。。。何が起きた?」といった意見や、「レイダースまさかのシーズン全敗回避」「レイダースが初勝利 まさかチーフスに勝つとは」「おめでとう! なんか感動して泣いたわ」など、祝福も。
レイダースの今季初勝利は全米のスポーツメディアが、こぞってトップニュース扱いで報じており、まさに奇跡の逆転勝利だった。
《岩藤健》
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