【山口和幸の茶輪記】アジア選手権とよく間違えられるけど、アジア大会はボクらの大陸の五輪だ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】アジア選手権とよく間違えられるけど、アジア大会はボクらの大陸の五輪だ

スポーツ まとめ
アジア競技大会(2014/インチョン)
  • アジア競技大会(2014/インチョン)
  • アジア競技大会(1994/広島)
  • アジア競技大会(1994/広島)
  • アジア競技大会(2006/ドーハ)
  • アジア競技大会(2006/ドーハ)
  • アジア競技大会(2014/インチョン)
  • アジア競技大会(2014/インチョン)
  • アジア競技大会(2014/インチョン)
韓国の仁川(インチョン)で開催中のアジア競技大会は、アジア選手権と間違えられるのだが全然違う。アジア大会とも呼ばれる前者は4年に一度、五輪開催年の中間に行われるアジア大陸の五輪。後者は大陸チャンピオンを決める単一競技の大会で、おおよそ毎年開催される。

ボクの専門分野である自転車競技を例として挙げてみる。どちらも日本代表選手が派遣され、アジアの盟主を懸けて戦うことに変わりはない。ただし派遣するのは前者が日本オリンピック委員会、後者が日本自転車競技連盟となる。

着用するレーシングジャージが微妙に異なってくる。通常の自転車競技日本代表は、ワールドカップでも世界選手権でも車連のスポンサーのロゴを配したジャージで走ることが許されている。現在のロードジャージでいえば、AEONのロゴが肩に入り、KEIRINマークも胸につく。

ところがアジア大会は五輪と同じ厳格な規定があり、JAPANの文字と日の丸、そしてウエア制作メーカーのロゴしか配置できない。試合やレース以外のときには、日本オリンピック委員会が支給する日本代表の公式ブレザーやスポーツウエアを着用する。もちろんウエアには制作メーカーのロゴ、ミズノかデサントかアシックスのロゴがあるだけだ。

つまりアジア大会の日本選手は格式として五輪代表と同じ待遇。それだけアジア大会は日本代表としての名誉をかけた戦いなのである。

日本で最後にアジア大会が開催されたのは1994年の広島だ。ボクは取材者として広島入りしたのだが、取材者証の発給は通常の国際イベントよりも厳格だった。このころから自転車競技では中央アジアのカザフスタンが実力をつけてきて、カザフスタンが表彰台を独占する種目もあった。今でもそれは衝撃的な光景として記憶に残っている。

2014年のアジア大会は男子ロードレースがなんと世界選手権ロードのエリート男子と同じ日程という事態に。アジア選手権ならこれはありえないことで、アジア大会の運営側が自転車競技の行事を軽視した結果としか考えられない。当然日本やカザフスタンは戦力が半減し、開催国が栄冠をさらうことになる。韓国や中国は世界選手権の出場枠を獲得できていない。
《山口和幸》

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