実際には夏の地区大会で敗れた翌日から新チームはスタートすることになる。甲子園に出場できなかったチームは、夏休みの間は来るべき秋季大会へ向けて、それぞれ練習試合や合宿、遠征などをこなしながら準備している。
現実にはこの時期にどれだけ準備ができたのかということが、そのまま秋季大会の成績につながっていく。とはいえ、秋季大会の段階ではチームとしてのキャリアも浅いところがほとんどである。週に5日、2試合ずつの練習試合を組んでいるところでは、8月だけで30~40試合もこなしているという。
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戦況を見つめる片倉高校・宮本監督
そこで指揮官は「このチームで何ができるのか」ということを試し、新たに起用する選手に関しては「この選手は何ができるのだろうか」と試しながら試合をこなしていく。だから、予定していた試合が雨などで流れると、計画が狂ってしまうということもあるようだ。
この夏は、甲子園の大会が終わった8月20日以降は、急に風も強く天候が不純な日が続くようになった。8月の最終週などは週末も含めてジトジトとした雨の日も多く、それでも限られた中で何とか試合をこなそうとしたが、結局雨天打ち切りになるというケースが少なくなかったようだ。
東京都八王子市の片倉高校は、都立校としては両翼90m以上のグラウンドがしっかり取れるということもあり、多くの学校が練習試合に訪れる。8月の週末にも千葉県の四街道高校が訪れて練習試合を組んでいた。
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雨中でも頑張って投げた片倉高校・伊藤充投手
前日来の雨が残る状態でジットリとした天候だったが、片倉高校の宮本秀樹監督は「やれる時にやっておかないと、やっぱり悔いが残っちゃいますから」と予定よりも早めに試合を進めることにした。「とにかく(多少降り出しても、試合を)やれるところまでやろう」ということだ。
【夏を終えた高校野球…秋季大会に向けて休むことなく忙しい 続く】