そして、その普及のために選手たちも一緒になって、邁進している。だから、自分自身の技術向上や、プレーを高めていくということもさることながら、より多くの人たちに女子プロ野球の存在を知らしめて行こうという、そんな意識も強く持っている。
そんな女子プロ野球、埼玉アストライアの中心選手に想いを聞いてみた。
■女子プロ野球をより多く認知してほしい
【埼玉アストライア編】
●渚(半田渚)
・背番号:1
・ポジション:投手
・出身地:京都府
・球歴:駒沢学園女子~大阪体育大~ドリームス(2012年)~アストライア(2013年~)
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埼玉アストライアの渚投手
---:最初に、渚選手自身の野球との最初のかかわりについて教えてください。
渚選手(以下、敬称略):最初は、2歳上の兄の野球の練習についていったところからでした。
---:実際、野球をやってみてどうでしたか?
渚:中学では男子の中でやっていて、それでも野球を続けたいという気持ちになりましたから、高校で野球のやれるところということでいろいろ探しました。当時は5校くらいしかありませんでした。その中から駒沢学園女子(東京)を選びました。
---:故郷を離れても、そこでやりたかった?
渚:そうですね、女子だけでやれるということも新鮮でした。
---:大学は、関西へ戻って大阪体育大学へ進学。教員を目指すとかでしょうか?
渚:私はスポーツマネジメントに興味があって、その勉強をしたかったんです。それで大学では男子の野球部の補助をしながら、手伝っていました。女子野球のクラブチームで大阪BLESSというのがあって、そこでもやっていましたから、自分の練習もしたくなってしまったんですね。
---:大学には女子のチームはなかったわけですよね?
渚:はい、それで大学1年の冬に作っちゃったんですよ。
---:ということは、マネジメントを勉強したというよりも、実践してしまった?
渚:そうですね(笑)。それで3年生になった時からは、試合ができるようになりました。その年に女子プロ野球ができたと思います。
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独特のフォームの渚投手
---:すると、それで目標が女子プロ野球になったと?
渚:いや、私としてはマネジメントにこだわっていて、女子プロ野球のスタッフをやって、その環境を求めたいなと思いました。ただ、(選手として)野球を続けたいという気持ちも強かったですから。
---:それで4年目となったのですが、身長154cmとそれほど大きいわけではない渚さんが投手として実績を残せている、その特徴は何だと思いますか?
渚:私はスピードや球威があるわけではないですが、緩急を使って、ボールの奥行きで勝負していくタイプだと思っています。タテのタイミングを外していくという投球です。
---:現役プレーヤーとしての目標は何ですか?
渚:やっぱり、タイトルがほしいですね。
---:目指しているマネジメントという立場からはどうでしょうか?
渚:私たちの頃は、高校で女子野球部がある学校は5校しかありませんでした。それが、今は19校になっていると思います。こうして女子野球をやれる環境がどんどん広がっています。大学でも作っていっているところが増えてきました。その目標となるような女子プロ野球であっていきたいです。
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