【ツール・ド・東北14】決起集会で石巻の現状を聞く ボランティア体験記(3) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ツール・ド・東北14】決起集会で石巻の現状を聞く ボランティア体験記(3)

スポーツ まとめ
大勢のボランティアが集まった決起集会。ヤフーの宮坂社長が挨拶する
  • 大勢のボランティアが集まった決起集会。ヤフーの宮坂社長が挨拶する
  • 決起集会で提供していただいた食事。他にもパンやおにぎり、オードブルなどがあった。カツサンドはかなりのボリューム
  • 僕たち走行管理ライダーのための最後のミーティング
僕たちツール・ド・東北の走行管理ライダーにとって最初の行事が、前日9月13日の夕方6時から始まるボランティア決起集会だ。会場は、石巻専修大学の学食だ。

当日朝に会場入りする人もいるため参加は任意だが、僕ら走行管理ライダーだけでなく、エイドステーションや立哨など他のボランティアも一緒に参加するため、かなりの人数だ。それなりに広い学食だが、座り切れない人もいる。

入り口で出迎えていた大会スタッフの中で、グレーのTシャツを着た男性がボランティアひとりひとりにしっかりとした口調で「よろしくお願いします!」と挨拶されているのが気になった。その方が開会の挨拶をされて気づいたのだが、ヤフーの宮坂学社長だった。こういうところにもわざわざ顔を出されるなんて、主催者としての意気込みが感じられた。

決起集会では、軽食が出された。カツサンドがかなりのボリュームで、これだけでほぼ満腹になるほどだった。

僕の目の前に座った若い男性は、石巻出身で現在は東京で働いているとのこと。最初は僕と同じ走行管理ライダーに応募したそうだが、抽選で外れたので明日はエイドステーションのボランティアを担当するそうだ。僕みたいなこの土地に縁もゆかりもない人間が、当選しちゃって悪いなという気分にもなる。

隣に座っている男性は、神奈川県の市役所から石巻市役所に出向されている方で、明日はスタートの誘導を担当される。石巻の現状を聞いてみたところ、町の中心部は復興は進んでいるが、町外れはまだガレキなどが手つかずのところもあるそうだ。

「3年半経ってるからかもしれないけど、話を聞くと『みんな流されちゃったよー』と明るく話されるんですよね。僕らは、なんて言っていいかわからなくなります」

まだまだ不便な生活をしている人が多いのはわかっているつもりだったが、こうして被災地で仕事をされている人の話を聞くと、いつもよりも身にしみてくる。

決起集会後は、走行管理ライダーのための最終ミーティングが別室で行われた。朝食の手配などボランティア側が確認したいことがあっても、すぐには大会スタッフから回答が得られないこともあった。ちょっとだけピリピリした雰囲気にもなったが、何せ大きなイベントなのでこの場にいるスタッフが1から10まで把握しているのは無理な注文かもしれない。それでも最終的には疑問点は解消され、翌日の本番を待つのみとなった。
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