
今季の年間MVPを獲得した大谷翔平投手(ドジャース)とアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)。近年、現役最高の打者として比較されるふたりは「総合的な打撃力」を示す指標でもトップクラスに君臨している。
ここでは、MLBの公式データサイト『Baseball Savant』で両者が誇る「得点を生み出す能力」を掘り下げてみる。
◆大谷翔平が「世界最高峰」を維持する“忖度なし”の現在地 2025年の打撃・走塁データを公式サイトから抜粋
■ジャッジと大谷翔平が際立つ安定感
野球では、「OPS(On-base Plus Slugging)」と呼ばれる指標が度々使われる。OPSとは、「出塁率」と1打数あたりの塁打数を示す「長打率」を合計した成績で、打者の総合的な能力を比較できるが、出塁よりも長打力が評価されがちな側面を持つ。
そこで、この問題点を修正した「wOBA(Weighted On-Base Average)」という指標が考案された。安打や四球など、出塁を伴うプレーにそれぞれ得点価値を加えて、打者が打席あたりに「どれだけチームの得点増加に貢献したか」を示している。今季のメジャー全体平均は「.313」だ。
『Baseball Savant』によると、今季もっとも高いwOBAがジャッジの「.463」で、2位が新人王ニック・カーツ内野手(アスレチックス)の「.419」、ナ・リーグトップの大谷は全体3位で「.418」と続く。昨季はジャッジ、一昨年は大谷が全体トップに立っている。
今季wOBAで.400を超えたのは、ジャッジにカーツ、大谷、ジョージ・スプリンガー外野手(ブルージェイズ)、ロナルド・アクーニャJr.外野手(ブレーブス)のわずか5人のみ。直近5年間、通算1000打席以上の打者に限ると、ジャッジが.443でダントツトップ。2位が大谷の.409、3位がフアン・ソト外野手(メッツ)で.400ちょうど。打撃において、近年もっとも得点を生み出す能力に優れているスラッガーたちだ。
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