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タイガースの前田健太投手が12日(日本時間13日)、米フロリダ州レイクランドで行われたツインズとのオープン戦に先発登板。昨季まで4年間在籍した古巣を相手に4回1安打無失点7奪三振という快投を見せ、オープン戦初勝利をマーク。開幕へ向けて順調な調整ぶりを見せた。
試合は1-0でタイガースが勝利。米複数メディアが伝えている。
◆【実際の映像】前田健太、古巣相手に見せた快投劇 ピッチングニンジャ絶賛の奪三振ショー
■投球を振り返り「まあまあ」とジョークも
前田は初回、先頭アレックス・キリロフ内野手に右前打を許したが、2番エマニュエル・ロドリゲス外野手を空振り三振に仕留めると、一塁走者も二塁で刺されて三振ゲッツー。続く3番マット・ウォルナー外野手は一ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
2回も無失点で抑えると、圧巻だったのは3回。7、8、9番を3者連続で空振り三振に切って取った。2回の2死から6番ジャイル・カマーゴ捕手も三振に仕留めており、下位打線を4者連続三振と寄せ付けなかった。
4回は先頭打者に四球を与えたものの連続三振と中飛で終えた。この回でマウンドを降りた前田は4回65球を投げて1安打無失点、2四球7三振と好投。仕上がりの良さをアピールした。
前田は試合後、自身の投球について「まあまあ」と冗談めかして振り返り、「今日は確かに良い球を投げることができた。いくつかの場面でカウントが不利になったのは残念だったが、全体的には良くて効果的なボールを投げることができたと思う」と話した。
■「開幕前にはスピードも戻る」と自信
この日、直球の最速は90.6マイル(約146キロ)で、平均は89.2マイル(約143キロ)。昨季の平均91マイル(約146キロ)と比べても低い数字だったが、カーブ、スプリット、スライダーなど多彩な変化球をコーナーに投げ分け、相手打線を翻弄した。
奪った7三振のうち、決め球はスプリットが4、スライダーが2、直球が1という内容で、米地元紙『デトロイト・フリー・プレス』も「直球のスピードは出なかったが、エリート級の変化球を披露した」と称賛した。
前田は直球について「現状にかなり満足している。理想的にはもう少し速くなればいいが、コンディショニングはまだ100パーセントではない。少し疲労感も残っていた。キャンプがさらに進み、シーズンを迎える頃にはスピードも戻ってくる」と力強く宣言した。
チームを率いるA.J.ヒンチ監督も「スピードはマエダにとって重要ではない」とした上で、「シーズンに入れば、今よりも多少速くなるかもしれない。しかし、彼は剛速球を投げるタイプではない。変化球にキレがあり、打者の手元で変化する動きが見られ、2種類のスライダーを投げ分けている。それが、彼の投球技術です。我々は最初からスピードが大きな要素にならないことを知っていたので、まったく心配していない」と信頼を寄せた。
35歳のベテラン右腕は、開幕へ向けてしっかり仕上げてきたようだ。
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◆前田健太、オープン戦2度目のマウンドで確かな手応え 米地元紙は「球数は増えたが球速は上がらず」とやや辛口
◆前田健太 3回2失点も「抑えるというより投げたいボールを投げてる。前回よりもすごく良くなってる」
文●SPREAD編集部
Kenta Maeda, K'ing the Side. pic.twitter.com/AXW9nQa9kf
— Rob Friedman (@PitchingNinja) March 12, 2024