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メジャーリーグのトレード市場が2日(米東部時間18時、日本時間3日7時)に期限を迎えた。ロサンゼルス・エンゼルスは、大谷翔平の残留が決まったものの、剛腕ノア・シンダーガード、守護神ライセル・イグレシアス、期待の若手ブランドン・マーシュがチームに別れを告げた。一方、今夏最大の注目株だったワシントン・ナショナルズのファン・ソトは、サンディエゴ・パドレスへの移籍が決まり、ダルビッシュ有やフェルナンド・タティスJr.らとともに球団史上初のワールドシリーズ制覇へ挑むことになった。米メディアは早速、今夏のトレードを総括。「勝ち組」「負け組」を選んだ。
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■ワールドシリーズ初制覇に期待かかるパ軍
米メディア『FOX SPORTS』は、「野球界が最も忙しかった日の勝ち組と負け組」と題し、記事を掲載。最終日に慌ただしく動いたトレード市場について分析、勝者として真っ先にパドレスの名前を挙げた。チームはソトに加えて、同じくナショナルズから大砲ジョシュ・ベルも獲得。さらにミルウォーキー・ブルワーズからメジャートップの29セーブをマークしている左腕ジョシュ・ヘイダーを招き入れた。そのほか、シンシナティ・レッズから内外野を守れるブランドン・ドルーリーも獲得した。
トレード以外でも先発右腕ジョー・マスグローブと5年総額1億ドル(約132億円)で契約延長に合意しており、パドレスは今夏において様々な交渉で成功を収めた。記事は「ナ・リーグ西地区の首位争いからは実質的に脱落(首位ロサンゼルス・ドジャースとは現地1日時点で12差の2位)しているにもかかわらず、ロサンゼルス・エンゼルスがスーパースター、マイク・トラウトのためにできなかったことをやっている」と記し、「チームの顔であるフェルナンド・タティスJr.のためにスター選手を集めた」と指摘。
エンゼルスがこれまでトラウトと大谷に頼り切りで、「勝てるチーム」になっていないことと比較し、充実した陣容を整えたことを評価。「10月の南カリフォルニアは楽しくなる」とし、ワイルドカードでのポストシーズン進出と、その先にあるワールドシリーズ初制覇に期待を寄せた。
■手堅く穴を埋めたヤンキースも高評価
そのほかの「勝ち組」としては、ヤンキース、ミネソタ・ツインズ、シアトル・マリナーズの名前が挙がった。ヤンキースは、オファーを出していた大谷は断念したものの、オークランド・アスレチックスから先発右腕のフランキー・モンタスと抑えのルー・トレビーノ、シカゴ・カブスからリリーバーのスコット・エフロス、カンザスシティ・ロイヤルズからアンドリュー・ベニンテンディを獲得。弱点と言われていたローテーション投手、ブルペン陣、外野の補強をそつなくこなした。
「負け組」には、ボルチモア・オリオールズ、トロント・ブルージェイズ、ニューヨーク・メッツ、クリーブランド・ガーディアンズ、シカゴ・ホワイトソックスなどの名前が並んだ。大谷にも興味を示していたメッツは結局、「ジョシュ・ベル、トレイ・マンチーニ、J.D.マルティネス、ウィルソン・コントレラス、デビッド・ロバートソンなどキリがないほど獲得に動いていたと言われているが、どれも手に入れることができなかった」と指摘され、負け組の烙印を押された。
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文●SPREAD編集部