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MLBは2日から球団施設を封鎖するロックアウトに突入しており、広島からポスティングシステムでの米挑戦を目指す鈴木誠也外野手の契約交渉も一時中断となっている。
多くの球団が鈴木に熱視線を送っており、米メディアなどでもその去就が注目されているが、現地のポッドキャスト番組「The Chris Rose Rotation」では一風変わったアドバイスを送っている。
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■「もし最初の数週間で成績が振るわなければ…」
直近の「The Chris Rose Rotation」には、かつてミネソタ・ツインズなどでプレーし、通算106本塁打を放ったトレバー・プルーフ氏が出演。自身の経験も交え、鈴木の移籍先選びにアドバイスを送った。
プルーフ氏は鈴木の移籍先について「うーん、ヤンキースのような球団に行くのが一番楽しめるかな。最初に頭に浮かんだのはフィリーズなんだけど」と回答。現役ラストイヤーにはフィリーズに在籍したOBでもあるだけに、今季東地区2位からの巻き返しを狙うフィリーズへの“勧誘”が行われるかと思いきや、プルーフ氏は少々変わった意見を続けた。
「(フィリーズに移籍しても)うまくいくとは思う。ただ、個人的な思いとして、彼にフィリーズはおすすめしない」。
なぜプルーフ氏はフィリーズを推薦しないのか。その理由はフィリーズファンの選手に対するリアクションの激しさだという。
「フィリーズのことを悪く言うのは申し訳ない気持ちになるんだけど……。実際とても良い球団だよ。ただ移籍するにはタフなところなんだ。
初めてアメリカでプレーする、しかもフィラデルフィアで……この場合、もし最初の数週間で成績が振るわなければ、地元ファンは激しく反応するだろう。これはタフだよ」
確かにフィリーズファンの気質は熱狂的かつ少々荒っぽいことで知られている。今季MVPに輝いたブライス・ハーパーでも、移籍初年度の2019年の不調時には痛烈なブーイングを浴びた。
■フィラデルフィアはニューヨークより“残酷”
フィリーズを知るがゆえのアドバイスを送ったプルーフ氏だが、同じく熱狂的で知られるニューヨークのファンと比較してもその反応は強烈だという。
「ニューヨークのファンはフィラデルフィアほど“残酷”ではないね。ニューヨークでなら、最初は数週間から1カ月ほど辛抱してもらえるだろうけど、フィラデルフィアではそうはいかない。下手したら最初のカードでファンは我慢の限界に達するかも」
ヤンキース、レッドソックス、マリナーズなどの球団同様にフィリーズも鈴木獲得に興味を持っていると報じられている。鈴木としては、条件面だけでなくプレー環境や都市の特色なども考慮しての決断が重要になりそうだ。
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文・SPREAD編集部