【THE REAL】柏レイソル・中谷進之介を輝かせる上手さと強さ…首位を牽引する21歳のDFリーダー | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】柏レイソル・中谷進之介を輝かせる上手さと強さ…首位を牽引する21歳のDFリーダー

オピニオン コラム
中谷進之介
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■最後まで「らしさ」を出せなかった悔しさ

勝てなかった悔しさと、負けなかった安堵感。前者のほうがはるかに大きかったからこそ、試合終了を告げる笛が鳴り響いた瞬間、柏レイソルのDF中谷進之介は左手首に巻いていた白い汗止めをむしり取った。

ヴァンフォーレ甲府のホームに乗り込んだ17日のJ1第15節。破竹の8連勝中だったレイソルは守備を固める相手を最後まで攻めあぐね、消化不良気味のスコアレスドローにもち込まれた。

連勝は止まったが、勝ち点1を得たことで首位はキープした。それでも特に後半は、シュート数で9対3と圧倒。FWクリスティアーノのシュートが、ポストとバーを叩いた場面もあった。

中谷自身も後半23分の左コーナーキックから、完璧なタイミングでヘディング弾を放ちながらバーの上に外していた。だからこそ、心から喜べなかった。

「今日の無失点に関しては正直、うーんという感じですね。上位のチームとの引き分けなら、という考えもあるので。勝ち点1はもらいましたけど、自分にも点を取れるチャンスがあったし、その意味ではもったいなかったというか、難しかったというか。

相手がつなぐことを放棄していたというか、僕たちのプレッシャーを受けないように、スローイングでもすぐに蹴ったりしていた。研究されているというより、怖がられていたというか。いつものペースではない、という違和感がずっと続いていた」

キックオフ前の時点でヴァンフォーレは14位に低迷し、5月以降は勝ち星なしの状況が続いていた。3バックで組む最終ラインだけでなく、左右のワイド、中盤の3人も自陣に引いてスペースを消してきた。

クリスティアーノと155センチの現役最小兵、中川寛斗の2トップがハイプレスをかけ続け、できるだけ早くマイボールにして主導権を握る。連勝中の戦い方を封じられ、最後まで「らしさ」を出せなかった。

■刹那の判断で伸ばした左足が防いだ失点

失点につながりかねない、危険な場面がなかったわけではない。たとえば後半11分。左サイドをFWドゥドゥに突破され、間髪入れずにグラウンダーのクロスを入れられた。

自軍のゴール前へ必死に戻っていた中谷は自分の左側、ちょうど死角となる位置にトップスピードで走り込んでくるFWウイルソンの姿を把握していた。

このままクロスが通れば、間違いなくゴールネットを揺らされる。かといって、決して万全な体勢ではない自分が無理をしてボールに触れば、オウンゴールになるおそれもある。

さまざまな思いが脳裏を駆け巡る。しかし、時間は待ってくれない。刹那の判断の末に、中谷はクロスの軌道へ必死に左足を伸ばした。

「危ない場面を察知できて、体を張って防げているのはいいことだと思っています」

果たして、つま先に当たったボールはバーを越えていく。絶体絶命の危機を脱した直後に、6月シリーズでハリルジャパン入りした守護神・中村航輔と右手で熱いタッチをかわした。

32分には自身の背後にロングボールを蹴られた。またもやウイルソンが加速しながら、間合いを詰めてくる。突然訪れた1対1。もし負ければ、相手に数的優位な状況を作られてしまう。

「ディフェンダーならば、ああいう場面は自信をもって止めないといけない。ウイルソン選手は(ベガルタ仙台にいた)去年よりも格段に速くなっていましたけどね」

一度は肉弾戦で屈し、ピッチにはいつくばらされても、すぐに立ち上がる。体を張ってボールを支配下に置き、背中越しに執拗なプレッシャーを受けながら必死にキープする。

最後は振り向きざまに右足を一閃。クリアではなく味方にパスをつなぎ、カウンターをも導いた中谷のプレーに、下平隆宏監督も思わず目を細めている。

「(ボールと相手との間に)上手く体を入れて、ファウルなしで止めていましたからね」

■2年目のオフに届いた2クラブからのオファー

千葉県佐倉市で生まれ育ち、小学校4年生でレイソルのアカデミーに入団。ボールを大事に保持しながら攻撃的サッカーを展開する、アカデミーの一貫したコンセプトのなかで心技体を磨いた。

各世代の代表でも奮闘
(c) Getty Images

2014シーズンにはトップチームに昇格するも、なかなか出場機会を得られない。2年目を終えた2015シーズンのオフには、ヴィッセル神戸とアビスパ福岡から期限付き移籍のオファーが届いた。

ヴィッセルを率いていたのは、自身をJ1でデビューさせてくれたネルシーニョ監督。アビスパの井原正巳監督はヘッドコーチとして、6年間にわたってネルシーニョ体制を支えていた。

ルーキーイヤーに師事した監督とヘッドコーチが、図らずもそろってラブコールを送ってくれた。1年目より2年目で出場試合数を減らしていた中谷にとって、これほど勇気づけられることはなかった。

「話をもらったときは本当に嬉しかった。ネルシーニョさんにしても井原さんにしても、僕のいいところを見てくれていたと思っているので」

おりしも主軸の鈴木大輔がスペイン2部のジムナスティック・タラゴナへ、ベテランの近藤直也がジェフユナイテッド千葉へ移籍。センターバックが手薄になった事情もあって、期限付き移籍は見送られた。

迎えた2016シーズン。背番号を「20」から鈴木がつけていた「4」に変えた中谷は、巡ってきたチャンスを一発でものにする。センターバックのレギュラーとして、31試合で先発フル出場を果たす。

欠場した3試合は累積警告による出場停止がひとつと、あとはリオデジャネイロ五輪のバックアップメンバーに選ばれ、万が一の事態に備えてブラジルへ帯同したことに伴う欠場だった。

「リオに関してはスタンドから見ているだけだったので。グループリーグで敗退した悔しさも味わえずに、試合に出られないという悔しさを再び積み重ねたという感じですね」

■レイソルのセンターバックに求められる仕事

連勝中のレイソルは、先発メンバーのうち実に8人をアカデミー出身者が占めてきた。昨シーズンの開幕直後から指揮を執る下平監督も、2010シーズンから6年間、レイソルのU‐18を率いている。

アカデミーのコンセプトがトップチームにも適用されているなかで、センターバックに求められる仕事は守備だけにとどまらない。攻撃の起点として、ひとつ年下の中山雄太とともに味方へ的確なパスを配給する。

「もともとビルドアップの力はもっていたし、加えて守備力が去年より伸びている。本人も意識しているはずだし、当然、視線の先には日本代表もあるはずなので、競争しながらたくましくなっていってほしい」

新たな挑戦の舞台を見つめる
(c) Getty Images

U‐18時代からの愛弟子でもある中谷へ、下平監督もエールを送る。J1の首位を走るチームで、周囲を納得させるパフォーマンスを演じていった先に待つ新たな挑戦の舞台を、もちろん中谷も見つめていた。

「(三浦)弦太君も、身近だった(中村)航輔も選ばれたので。自分も目指すべき場所だと思っているし、そのためにもいまのパフォーマンスをスタンダードにして、満足することなくやっていきたい」

リオデジャネイロ五輪世代で、ポジションも同じセンターバックの三浦弦太(ガンバ大阪)が6月シリーズでハリルジャパンに大抜擢された。ひとつ年下の中谷が、刺激を受けないはずがない。

「いいセンターバックは雰囲気をもっている。自信があるように見せたほうが相手も怖がるはずだし、僕自身、堂々とプレーすることはすごく大事だと思っているので」

まだ21歳ながら風格と貫禄を漂わせはじめている中谷は、開幕から全15試合で先発フル出場を継続している。上手さと強さ、身長184センチと高さも兼ね備えた、若きリーダーに牽引された守備陣が達成した無失点試合は、リーグ最多タイとなる「7」を数えている。
《藤江直人》
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