【山口和幸の茶輪記】あのときを忘れない…6年目となる東北巡業へ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】あのときを忘れない…6年目となる東北巡業へ

オピニオン コラム
気仙沼つばきマラソン参加のために民宿でご一緒した地元宮城県の仲間と
  • 気仙沼つばきマラソン参加のために民宿でご一緒した地元宮城県の仲間と
  • 気仙沼大島を走る。奥の高台に残るのが津波被害を免れて存続した民宿だ
  • 気仙沼大島の最高峰、亀山をロードバイクで目指す
  • 牡蠣、ホタテ、イカ、わかめ汁…。この瞬間のために半月ほどアルコールを口にしていなかった
  • 民宿の広間から海をながめながらのんびりと食事
  • 大会の拠点となる中学校校庭。昨年まであった仮設住宅がなくなっていた
  • 島の若い生徒さんらがボランティアで運営を手伝ってくれている
  • 記録証とカマ焼きをもらって民宿でくつろぐ。この瞬間が最高なのだ
東北地方にサクラが咲くころ、ボクはクルマに自転車を積み込んで満開前線を逆走するように東北に向かう。東日本大震災の翌年からやっている三陸海岸への旅で、マラソン大会に出たりロードバイクを走らせたり。露天風呂で汗を流しておいしいものを食べるという…。

きっかけは、東日本大震災翌年に複数の自転車つながり仲間が関わった震災復興ハーフマラソンだ。リアス式海岸として知られる三陸エリアにおいて、宮城県気仙沼市と定期船でつながる気仙沼大島という小島があり、ここで復興支援のために立ち上がったハーフマラソンに一念発起して参戦したのがすべての始まりだ。

この地域は宮城県仙台市に拠点を置くブロック紙・河北新報のおひざもとで、距離3km、5km、10km、ハーフの「気仙沼つばきマラソン」を運営していた。毎年4月中ごろに開催されていた大会だが、未曾有の大災害で2011年は中止。2012年も中止となったところで、「代替大会で地元を盛り上げよう」という有志が「楽しむことが支援になる~気仙沼大島ランフェスタ」をスポット開催した。知り合いの薦めもあってその大会に出てみたのだ。

気仙沼大島を走る。奥の高台に残るのが、津波被害を免れて存続した民宿

震災翌年に足を踏み入れた三陸海岸は、想像をはるかに超えた惨状が依然として広がっていた。石巻、女川、南三陸町とクルマを走らせ、岩手県の陸前高田市でボランティアの宿泊用として解放されていた旧小学校体育館に泊まりながら、牡蠣の養殖イカダ作りなどを手伝った。お昼どきに地元漁師がふるまってくれた蒸し牡蠣がどんなにおいしかったことか。口にしたのは大津波を乗り越えてわずかばかり生き残った牡蠣だったという。

ツール・ド・フランス取材記者であるボクは、その開催時期である7月に夏休みが取れないこともあって、2013年に再開した「気仙沼つばきマラソン」が行われる4月中ごろに東北までの旅を続けることにした。2017年でかれこれ6回目の訪問だ。

震災の翌年から続けているだけに被災地の復興ぶり、それと同時にまったく変わっていない現実を目の当たりにする。初めて訪れたときはまだ道路に幾多の亀裂があって、細身タイヤのロードバイクでは走りにくかった。納車されたばかりのクルマだったが、道路の段差で底を擦り、砂塵で真っ白になった。現在は、道路に関してはかなり修復が進んでいる。

石巻を南端とする無料高速道路「三陸自動車道」もいよいよ南三陸町まで延伸した。南三陸町では津波対策のかさ上げが進み、海から遠い場所に仮設されていた「南三陸さんさん商店街」がかつての中心地に戻ってきた。

南三陸さんさん商店街

定期便のフェリーが流失して孤立、米軍の「トモダチ作戦」で支援を受けた気仙沼大島では3月末に本土を結ぶ橋が架かった。実際に通行できるのは2018年度中ということだが、1951年の架橋計画からついに実現のめどがついた。

待望の大橋が開通すれば、本土との交流が急加速する。その一方で島民や観光客の唯一の足であったフェリーの存続は難しい。「かっぱえびせん」をもらうために群がるカモメたちも困惑するだろう。さらには交通量が増えることで、これまでわざわざロードバイクを船に積んで訪れていたサイクリストたちも複雑だ。

それでも6年連続でお世話になっている民宿が変ぼうするとはどうしても思えない。ホヤやめかぶなどの海の幸は新鮮なのでホントにおいしい。毎回のハーフマラソンをなんとかゴールした後は民宿にお昼ご飯が用意されているので、地元漁師がゴールでふるまってくれるマグロのカマ焼きを手に持って、わが家に帰っていく気分で足を引きずりながら歩いていく。シャワーを使わせてもらい、海の見える畳敷きの広間でハーフマラソン仲間と健闘ぶりを語り合う。

その瞬間を味わうために、7月はツール・ド・フランスに行って、1年を通して仕事を頑張って、健康維持に務める。夢のような一瞬を味わうため、1年のごほうびである。
《山口和幸》
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