五輪3大会連続金メダルの柔道家、野村忠宏氏(42)が「フランスでは柔道は単なるスポーツとしてではなく人を育てるスポーツとして愛されている」と語った。1月17日にフランス大使公邸でフランス流の新年会が開催され、そのあいさつで語った。
フランスはいまや日本をしのぐ世界随一の柔道大国。野村氏が国際大会で初優勝したのもフランスで、それをきっかけに世界の第一人者に躍進し、1996アトランタ、2000シドニー、2004アテネと男子60kg級で金メダルを獲得。1997年にはパリで開催された世界柔道選手権で優勝している。
現役時代に何度もフランスを訪問したが、観光を楽しんだり文化とふれあったりする機会はなかった。引退後は指導者として世界中で柔道を教えたいとする野村氏は、昨年のテレビ番組収録で初めてフランスをゆっくりと訪問。フランス柔道のルーツをたずねたり、現地の指導者と語り合ったり、地域の道場を訪れて子どもたちと交流した。
「日本とフランスは柔道を通して深いつながりがあるのを感じている。柔道は単なるスポーツとしてではなく人を育てるスポーツとしてフランスでは愛されている。だから多くの子どもたちが柔道をやって、すくすくと成長している」
この日の新年会では「ガレット親善大使」に任命されて招待を受けた。パイ菓子のガレット・デ・ロワを楽しむフランス流の新年会がティエリー・ダナ駐日フランス大使の主催によって開催され、「ガレット親善大使」に任命された野村氏は、改めて食文化とともにフランスに根づいた柔道の素晴らしさをアピールした。
《山口和幸》
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