FIFAクラブワールドカップ(W杯)2016から、FIFA主催大会で初めて導入されたビデオ判定システム。その是非をめぐって実際に経験した選手や監督からは疑問や戸惑いの声が出ている。
12月15日にクラブ・アメリカ(メキシコ)とのクラブW杯準決勝を戦った、レアル・マドリード(スペイン)のルカ・モドリッチは、「正直に言えば気に入ってはいない。大きな混乱を生み出している」と否定的な意見を述べた。
「先日のミーティングでも、あまり話はしていなかった。この新しいルールが適用されてほしくはなかったからだ。単純にこれはサッカーではないと思う。これからどうなるか見てみよう。僕らは自分たちの試合に集中すべきだが、第一印象は良いものではなかった」
この日の試合でレアルは試合終了間際にクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決め、2-0でクラブ・アメリカに勝利した。このとき、ロナウドのゴールがオフサイドではないかとの疑惑があり、ビデオ・アシスタント・レフリー(VAR)にかけられた。結果は得点が認められたものの、ピッチ上では選手たちが混乱していた。
レアルを率いるジネディーヌ・ジダン監督は、「FIFAのやり方に合わせる必要がある」とテクノロジーの導入を受け入れる方針だが、実際の運用には不明確な部分が多いと話している。
「あの場面で少々混乱があったのは確かだ。もう少し明確にする必要があるがFIFAがテクノロジーを用いて、物事の改善を図りたいと思うなら我々にはどうすることもできない。改善できるならサッカーにとって良いことだ。だが、もう少し全員にとって明確な形にしなければならない」
《岩藤健》
page top