それに、これまで東京都大会の春秋のメイン会場として使用してきた神宮第二球場は、老朽化の問題も出てきている。しかも、2020年の東京オリンピックに伴う改修工事などで、やがて使用不可になる可能性も高い。神宮球場も改修となれば、その間の会場をどうするのかも大きなテーマとなる。
さらに早稲田実業に清宮幸太郎選手がいることで、いやがうえにも注目度が上がってきている。都高野連としては混乱と事故防止のために、早稲田実業の試合は極力キャパシティーの大きな球場にしたいと配慮している。高校野球の運営には、つねに本音と建て前が入り乱れていくことも多い。
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東京郊外、多摩一本杉球場
監督や理事を務めている現場の教員の本音を聞き出しながら、どのような運営をしていくのがいいのか試行錯誤しているようだ。それでも、毎年訪れる大会を楽しみにしている多くの高校野球ファンがいる。選手たちの戦いを見守りたい保護者たちもいる。こうした周囲の人々がいて高校野球の繁栄もあるのだから、そんな人たちへの配慮も欠かせないことだ。
さまざまな問題を山積みにしながらも、この秋も東京都の高校野球が始まった。今年から本大会の出場枠が広がり、64校でのトーナメントとなった。これも運営上は、また新たな問題も生み出しているかもしれない。
しかし、秋はすべてがノーシードという中で、トーナメントの原則としてすべての試合数を平等にしていくことで、32の倍数の64校というところに落ち着いたと聞いている。
いずれにしても、全63試合がスムーズに運営され、好試合が続くことを期待してやまない。