周知のように、春のセンバツは夏の選手権のようにトーナメントの勝ち上がりで代表が決まっていくシステムとは異なる。
各都道府県の高等学校野球連盟(高野連)から推薦を受けている学校から、選考委員がそれぞれの地域的なことも考慮しながら代表校を選んでいく。その原点は、招待試合というところにもある。
とはいえ、選考されるのは秋季地区大会で上位に進出している学校がほとんどだ。明治神宮大会にも出場する北海道、東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州の各地区大会の優勝校と、東京都大会の優勝校は実質センバツ出場確定といっていいだろう。
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高校野球は朝が早い
ここで注目されるのが東京都大会である。春季大会では、東京都大会の上位2校がその後の関東大会に東京都代表として出場しているが、センバツのかかる秋季大会は単独大会で完結しているということだ。
これは首都で人口の多い東京都からは毎年代表校を出場させたいという主催者側の意向があることは否定できない。また、その恩恵にあずかりながらも東京代表は、実績を上げてきている。
1957(昭和32)年の早稲田実業の優勝に始まり、1962年の日大三、1969年の堀越と準優勝が相次ぐ。1971年と1972年は日大三、日大桜丘が連続優勝を果たしている。1972年は日大桜丘と日大三とで史上初の東京勢決勝を戦った。1960~1970年代は春は東京代表が強いと言われていた。
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