旅先は岐阜県高山市の“飛騨高山”だ。高山(乗鞍岳)に登った後、岐阜県の高山(市)に泊まり、周辺を観光したのだ。今回は旅のお供が高山市に住んでいたということもあり、その友人らと一緒に街を巡り、高山の文化を存分に味わうことができた。
■飛騨高山を旅する
高山市は街自体が標高500mを越える場所にあり、夏の強い日差しが肌に突き刺さるのだが(そのため高山の人は色白が少ないとか)、湿気がないため関東地方ほどジメジメとしない。だから夏の高山は、日差しが強くても過ごしやすい。冬は雪で大変らしいが。
また、日本一広い面積を持つ市であるが、そのほとんどが山林だ。木を使った家具作り(飛騨産業。家具もさることながら、フリーペーパーの『飛騨』がオシャレ)が盛んな街である。
「飛騨の小京都」といわれる古い街並みは、日本の風情がそのまま残っており、多くの外国人観光客でにぎわうのも納得がいく。ゲストハウスなどの安宿も多くあり、岐阜にいて異文化コミュニケーションが図れてしまうのは、不思議でお得な感じがした。
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高山の古い町並み
旅先での食事には少々こだわる、という人にも高山はオススメだ。飛騨高山の名産といえば「飛騨牛」がある。飛騨牛を使ったステーキ、牛串、肉まん、たこ焼きなどさまざまな料理があちこちで売られており、これでもかというほどに食べまくった。お楽しみの夕食は、一夜目は居酒屋で酒を飲みながらあれこれとつまみ、二夜目はちょっと足を伸ばして豆腐のステーキを食す。今思い返せば、あちこち出かけては、そこで何かしらを食べていたように思う。
観光も存分に楽しんだ。櫻山八幡宮では高山祭の屋台を見物。夜は山の麓に行きホタル鑑賞。さるぼぼ作り体験、陣屋、朝市、飛騨の里の合掌造りの家(飛騨の匠)…などなど。
高山(乗鞍岳)に登り、高山(街)で過ごした三日間。筆者の腹の中は飛騨牛で、胸の中は旅情感で満たされた。
夏の旅は、山も街も「高山」に限る。
江戸時代の殿様が夏に高山を旅したならば、そう語ったに違いない。ただしそれは、「目黒のさんま」のような勘違いではなく。