ライト方向からレフト方向に流れる浜風や、5万人を収納し、毎日満員になる甲子園では、毎年何が起きるかわからない。地方大会では、絶対的な強さを見せてきた、強豪私学でさえ、安心はできない。今回は長い夏の甲子園の歴史の中で起きた死闘をまとめてみた。
1)98年準々決勝・横浜対PL学園
当時春夏連覇を狙っていた横浜と、春のセンバツ準決勝で、横浜に敗れた、PL学園の雪辱を晴らす戦いは、延長17回にも及ぶ、壮絶な死闘となった。
最終的に17回に横浜・常盤良太が2ランホームランを放ち、これが決勝打となり、松坂大輔(ソフトバンク)が、たった1人で250球を投げきった、3時間37分に及ぶ死闘の末、横浜が勝利した。
この試合でPL学園は、横浜のキャッチャーの癖を見抜いていたことや、それに気付きた横浜バッテリーが修正を行うなど、非常に高度な駆け引きも見られた。
《荒井隆一》
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