5.苦手のフランスに勝ったチームのまとまり
ポルトガルは、フランス相手に41年間勝利がなく、10連敗中だった。その上フランスは、自国開催と、決勝戦は、絶望的な対戦となった。だが、試合前半で、ロナウドが負傷離脱すると、ぺぺを始め、ベテラン選手がチームをまとめ、統率がとれた戦いを見せる。
GKのルイ・パトリシオが、フランスの猛攻をしのぎきると、徐々にポルトガルへと流れが変わり、エデルの劇的ゴールへと繋がった。チームは、アフリカ出身の選手が多く、その独特な雰囲気と、リズミカルな動き、そして、ヨーロッパ出身選手の、勝利のメンタリティが融合し、その結果、ロナウドが離脱しても、動揺せずに、戦えたのではないだろうか。
こうして紐解くと、ポルトガルの優勝が偶然ではなく、必然だったことがわかる。今後サッカー界に必要なのは、技術やプレースタイルではなく、選手の持つアイデンティティの融合なのかもしれない。
《荒井隆一》
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