山縣亮太、リオ五輪に向けて何を想う…100m9秒台を出すために必要なこと | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

山縣亮太、リオ五輪に向けて何を想う…100m9秒台を出すために必要なこと

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山縣亮太 参考画像
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リオデジャネイロ五輪の日本代表選考会を兼ねた第100回日本陸上競技選手権大会が、6月24日~6月26日にかけて名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開催された。3選手がしのぎを削る男子100メートル決勝に注目が集まった。

向かい風0.3メートル、降りしきる雨。コンディションは良いとは言い難かったが、期待に違わぬ白熱のレースが繰り広げられた。結果はケンブリッジ飛鳥(ドーム)が10秒16で初優勝、2位に0.01秒差で山縣亮太(セイコーホールディングス)、3位の桐生祥秀(東洋大)は10秒31だった。

スタートを得意とする山縣。レースを振り返った。

「今回日本選手権に関していえば、むしろスタートは課題だった。その辺を予選、準決勝と進んでいく中で、どれだけスタートの修正が効くかをテーマにやってきた。決勝ではそれはうまくいったかな」

スタートダッシュで先頭に立った山縣の独走かと思われたが、中盤からケンブリッジが凄まじい追い上げを見せた。0.01秒差、肉眼では判断できない好勝負を制したのはケンブリッジだった。

後塵を拝した山縣は「レース自体はあの時のベストを尽くした」とある程度の手ごたえは感じたものの、「率直に言って悔しいです」と唇を噛みしめた。



第100回日本陸上競技選手権大会の山縣亮太(右) 写真提供:フォート・キシモト


陸上の世界、特に100mの世界は0.01秒が勝負を分ける。今回はその象徴的なレースになった。

「0.01秒をとりこぼさないために、日ごろの取り組みを見直していかないといけない」

山縣の0.01秒の勝負を分けたのは、自身が懸念していたスタートではなく、今シーズンは手ごたえをつかんでいた中盤以降の伸びだった。

6月5日に行われた布施スプリント。山縣は向かい風では日本最高となる好タイム、10秒06を叩き出した。それから山縣はスピードを意識した練習を中心に行ったが、それが裏目に出たのではないかと本人は分析する。

「中盤以降の伸びに関しては少し課題の残る内容だった。スプリント系のメニューをうまく取り入れながら、スピードと持久力の両方を鍛えていかないといけないと思った」



第100回日本陸上競技選手権大会の山縣亮太(中央) 写真提供:フォート・キシモト


山縣、桐生、ケンブリッジの三つ巴の戦いになるという下馬評通りのレース展開となった日本選手権。山縣はライバルをどう見ていたのだろうか。

「これだけ注目されていたので、意識せざるをえないこともありました。注目を浴びている中で、どれだけ自分のレースができるか。そこは試されていると思っていました」

ふたりを意識していたことを明かす。桐生、ケンブリッジを「中盤以降が強い選手」と評していたが、どれだけいいスタートを切れるかが自身にも問われていた。

27日に日本陸上競技連盟から山縣のリオデジャネイロ五輪陸上日本代表の内定が発表された。夢の大舞台を前にどんな気持ちでいるのだろう。

「今回はスタートに意識を置きすぎたのですが、中盤以降の加速が今シーズンは特に手ごたえを感じている。加速を作るということを再確認しながら、今回のスタートの感覚を忘れずに、中盤以降の加速も素晴らしいレースをリオではしていきたい」

目標はリオデジャネイロ五輪で自己ベスト更新し、日本陸上界の積年の夢である9秒台を出すことだ。9秒台に手が届くと山縣は感じつつも、後一歩のところで涙を飲んでいる。

「(9秒への)壁があると思いたくはないが、結果として出ていない。自分の中でもう一段レベルアップしなくてはいけない」



第100回日本陸上競技選手権大会の山縣亮太 写真提供:フォート・キシモト


ケガの期間を経て肉体的にも精神的にも一回り大きくなった山縣。9秒台に到達するためにはさらなる「パワーをつけること」が必要だと語った。

「海外の選手と日本の選手の差は、やはりパワーがあること。長所であるスタートと中盤の加速に磨きをかけていけば、可能性はあると思う」
《大日方航》

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