●ITでプロ野球を楽しく!ピッチャーの配球でバッグが光る?
●プロ野球選手とLINEを楽しめる?
日刊スポーツのアイディアは、コンシェルジェサービスなどを搭載したbotだ。日刊スポーツ紙面状で掲載された大量の情報は、データベース状で管理されている。現状で40万件以上のビッグデータがあり、この情報は日々拡張されている。ここから最適な情報を選んで提供するサービスだ。
「自前の資産を有効活用したいと思った。コンシェルジェサービスや、選手情報だけでは不十分だと思ったので、あったらいいなという情報を網羅した。すべての人が快適に試合を観戦できるようなサービスを作りたいと感じた」と日刊スポーツ。
顧客の満足度を高めるだけではない。遊休資産をマッチングさせるプラットフォームとしての役割も果たす。
「球場に眠っている遊休資産として、空席がある。プロ野球にはシーズンシード制度がある。大金を払って1年間同じ席を確保できるが、毎試合観戦できるオーナーはそういない。この席を譲る人が見つからなければ空席となってしまう」
サービスを、アプリ上だけではなく、LINE、FacebookなどSNSで利用できるように汎用性を持たせている。SNS上で選手情報を検索すると重要度の高い順番に過去の記事がヒットする。
球場で売られているビールも、LINEのスタンプを通して頼むことができる。ノドが乾いた様子のスタンプを送ると、「あなたの席はどこですか」とメッセージが届く。
チケットの写真を送ると座席の位置情報を確認し、その座席にビールを持ってきてくれる流れになっている。位置情報から空いているトイレの情報を届けてくれたりもする。
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また、東京ドーム最寄りの水道橋駅近辺で営業している居酒屋も検索してくれるし、電車の遅延もリアルタイムのデータを引っ張ってきて教えてくれる。まさしく試合周りのすべてのデータを網羅している。
これだけのサービスがあれば、すべてをマネタイズに直結させることができる。
「無料で自社のデータは無料提供する。最初は有料を考えていたが、お店の情報、優先的に配信するようにするなど、マネタイズの仕組みをたくさん作ることができたので無料で提供できる試算になった。編集局からの許可も得ている」
審査員には「できることが多すぎる」という指摘も受けていたが、機能が盛りだくさんの便利なサービスを提案した。日刊スポーツはジャイアンツハッカソンでデータスタジアム賞を受賞した。