「2016 TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンス」(4日)では、今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に臨むトヨタエンジン勢の陣容も発表されている。王座争い常連の中嶋一貴、そして参戦2年目の小林可夢偉らがヨコハマタイヤ初年度のタイトルを目指す。
今季はワンメイクタイヤがブリヂストン製からヨコハマ製へと切りかわる。SFの勢力図にも大きな変化が起きる可能性があるタイミングといえるが、現行のワンメイクシャシー『SF14』と2000cc直噴直4ターボで争われるようになった過去2シーズン、ホンダ勢に対して優位を保ってきたトヨタ勢は覇権維持に向け、以下のようなドライバーラインアップで今季で臨むこととなった。
■2016年 SF トヨタエンジン使用ドライバー
#1 石浦宏明(CERUMO・INGING)
#2 国本雄資(CERUMO・INGING)
#3 未定(KONDO)
#4 未定(KONDO)
#7 小林可夢偉(Team LeMans)
#8 N.カーティケヤン(Team LeMans)
#18 中山雄一(KCMG)
#19 J-P.デ・オリベイラ(IMPUL)
#20 未定(IMPUL)
#36 A.ロッテラー(TOM'S)
#37 中嶋一貴(TOM'S)
※カッコ内はチーム名
昨年、初のチャンピオンに輝いた石浦が栄光のカーナンバー1をつけて連覇に挑む。近藤真彦監督が率いるKONDOは現時点でドライバー未決定。可夢偉は昨年同様チームルマンからの参戦が決まった(カーナンバーは8から7に変更)。そして可夢偉の僚友には昨年はホンダエンジン搭載チームで走っていた元F1ドライバーのインド出身選手、カーティケヤンが移ってきている。カーティケヤンは一昨年がトヨタ勢、昨年がホンダ勢、今年またトヨタ勢という、ちょっと珍しいかたちでの3年連続SF参戦だ。可夢偉とのF1経験者同士の新タッグがどう機能するかにも注目したい。
小林可夢偉のコメント
「今年はチャンピオンを獲りたいですね。そのためにも、まず一発目(初戦)に勝ちたい。甘くないレースなので、そこから本当にチャンピオンを狙えるかどうかを考えるべきだとも思いますしね。(WEC同様)しっかり準備をして、1戦目から勝てるようにしたいです」
初王座を目指す可夢偉、今季はSFとWEC(世界耐久選手権)の並行参戦というかたちになるが、既にここ数年、そういった参戦形態を採ってきているのが中嶋一貴である。SFではトムスに所属して6シーズン目、自身通算3度目の王座を狙う。
中嶋一貴のコメント
「タイヤが変わりますけど、ゼロからいいところを見つけていくのは得意なチームだと思いますので、その辺のアドバンテージには期待したいと思います」
12年と14年に王座を獲得した一貴だが、いずれも翌年、連覇は成し遂げられなかった。SFでは極めて稀な偉業である連覇を果たすためには「今季また(新たに)1回獲らないことにはできませんからね。頑張ります」。王座争い常連の一貴、今季もシリーズの軸のひとりとなることは間違いない。僚友ロッテラー、前年王者・石浦、そして可夢偉らとの戦いは、どう展開するのだろうか。楽しみにしたい。
なお、若手気鋭で昨年は可夢偉の僚友だった平川亮の名前がないが、彼はSUPER GTとELMS(ヨーロピアン・ルマン・シリーズ)への参戦が決まっており、今季のSFレギュラー参戦はない模様(この日の発表会は日程の関係で欠席)。ELMS参戦という平川の新たなチャレンジにも期待したい(ELMSの所属チームは未定)。
今季のSFは鈴鹿(3月14~15日)と岡山(3月31日~4月1日)で2回の合同テストを経たのち、4月23~24日の「2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」で開幕。国内6サーキットで全7大会が予定されている。
【トヨタ GAZOOレーシング】スーパーフォーミュラ今季陣容…中嶋一貴、小林可夢偉らが王座目指す
《遠藤俊幸@レスポンス》