---:2年ほど前に膝の手術をしたということですが、リハビリはどのくらいかかりました?
山根:リハビリ自体は半年です。その間はまったく泳げませんでした。その後も練習と並行して続けています。骨折などの怪我でしたら、「骨がくっついたらそれで治療は終わり」という点がありますが、私の場合は完治したとはいえ、靭帯の怪我だったので治療に終わりがなく、痛みを抱え続けるかもしれないという不安がありました。ですので、膝を気遣ったリハビリはずっと続けていくことになると思います。
---:最近やっと痛みがなくなってきてタイムが伸びてきているということですが、怪我がなかったらブランクもなく、もっと今頃は速かったと感じることはある?
山根:1年近く怪我で棒に振っているので、そうですね…。もしかしたらもっと速くなっていたかもしれませんが、それでも、怪我をしたことによって精神的に強くなったと思います。順調にずっときていたら、今の自分はなかったかもしれない。泳ぎたくても泳げなく、辛かった時期があったからこそ今の結果があるんだと思うんです。
---:精神的にはどういう点で強くなった?
山根:怪我してそれこそみんなが辛い、速くなるための練習をしているのに、自分は見ることしかできない。その時期があったからこそ、練習に参加できるようになってからは「いままでの分を取り戻さなきゃいけない」と、本気の度合いが高まったんです。一層他の人に負けたくないと思うようになったというか。「怪我していたからしょうがない」ではなく、「それでも追いつきたい、追い越したい」という気持ちがすごく強くなった気がします。
いままであたりまえにできたいたことができなくなって…。そういった辛い経験が泳げることの喜びに気づかせてくれたし、辛い練習でも、その中で自分が速くなっていく過程を楽しめるようになりました。
---:今後プロを目指していく気持ちはありますか?
山根:今のところはないです。でも、もし来年オリンピック代表に選ばれるようなことがあったとしたら、出ただけで終わりなじゃなく、もっと上を目指していきたいという気持ちが芽生えてくるかもしれないので、全くないとも言い切れないという感じです!
《大日方航》
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