しかし近年、プレミア・リーグ勢は、UEFAチャンピオンズ・リーグの舞台では、成功を収めることができていない。
2013/14シーズンのファイナルは、REAL MADRIDとATLETICO MARDRIDのスペイン対決。2012/13シーズンは、BAYERN MUNCHENとDORTMUNDのドイツ対決。3シーズン前のCHELSEAの優勝以来、プレミア勢はファイナルにたどり着くことさせできていないのだ。
■早々と決勝トーナメント初戦で消える
今回は、ARSENAL, CHELSEA, MANCHESTER CITYの3チームが、決勝トーナメントに進出したが、初戦で消えることとなった。毎シーズン、莫大な放映権を獲得し続け、その人気を見せつけるプレミア・リーグ勢の彼らが、何故早々と大会から消え去ることになったのか。
まず考えられるのは、プレミア・リーグは他リーグにはない過密日程のせいだろう。多くのヨーロッパリーグは、シーズン半ばにウインターブレイクが設けられている。リーグによって日程は異なるが、クリスマスとニューイヤーの時期が冬季休暇となる場合が多い。
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しかし、プレミア・リーグは、その時期に多くの試合を行い、サッカーファンを大いに楽しませてくれる。その反面、選手がシーズンを通して、休暇を取る日程が全く無くなってしまうのが現状だ。他リーグの選手は、この冬季休暇によって心身ともにリフレッシュし、2月から始まるチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメントに出場してくるのだから。プレミア勢が勝ち抜けない、大きな要因のひとつだろう。
■実力拮抗のプレミア・リーグ
もう一つの大きな理由は、プレミア・リーグの実力拮抗かもしれない。ここ数シーズン、他リーグとは違い、最終節までもつれるリーグ優勝争い。さらに、4位までに与えられるチャンピオンズ・リーグ出場権争いと、この他リーグでは見られない混戦は、サッカーファンにとって最高のエンタテインメントだ。
これが人気の秘訣である反面、各チーム・各選手がどの試合にも気が抜く事ができず、昨シーズンはあのMANCHESTER UNITEDがシーズンを7位で終え、ヨーロッパ・リーグへの出場さえも逃した。時に、世界中のプレミアファンにとって、想像もしない出来事さえ起こるプレミア・リーグである。
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「イングランド出身」の選手を育てる対策は、サッカー協会やプレミア・リーグが試行錯誤で対策を講ながら実行されているが、ヨーロッパ大会でプレミア勢が勝ち残っていくためにも、 他リーグの様に程よく休暇を導入し選手を休める事や、 FA・カップでの引き分け再試合などの中止といった事など、 変革する時期が来るのかもしれない。大会を勝ち進む事ができれば、多くのイングランド人選手の国を越えた切瑳琢磨の場も増え、イギリスのサッカー文化の成長にもつながるだろう。
現在スペイン・リーグに次ぐヨーロッパ・リーグ・ランキング2位のプレミア・リーグには4位までのチームがUEFAチャンピオンズ・リーグに出場できるチャンスを得られるが、来シーズン時はブンデス・リーグにポイントで抜かれ、ランキング3位に落ちそうだ。プレミア・リーグそしてプレミア・チームを今以上の魅了あるものとするためにも、変革の時期に差し掛かっていることに、まずは大会運営者たちが気づかなければならないのかもしれない。