ドーピング違反によりツール・ド・フランスのタイトルをはく奪されたランス・アームストロングが、アメリカ・ダラスに拠点を置くSCAプロモーションズ社から1000万ドル(約12億円)の罰金支払いを請求されていることが、2015年2月16日、SCA社からの声明で明らかとなった。
この罰金は、ダラスの仲裁委員会の公聴会により、アームストロングが「他に類のない一連の国際的偽証、詐欺、陰謀行為」に関与したことに対して科せられたもの。個人に対しては、アメリカの裁判史上最高額の罰金となる。SCA社はこの処分の確定を求め、ダラス州地方裁判所に申し立てを申請している。この罰金は、アームストロングからSCA社に対して直接支払われければならない。
スポーツをはじめとするさまざまなビジネス分野でプロモーション活動を行うSCA社は、アームストロングがツール・ド・フランスを7連覇した2005年に、ボーナスを支払う約束をした。アームストロングはキャリアの中で一度もパフォーマンス強化薬物を使ったことがないと何度も誓い、SCA社は2006年に750万ドルを支払うことで決着した。
しかし、2013年にアームストロングはツール・ド・フランスで優勝した期間に不正行為を行っていたと告白し、SCA社に対して偽証を行っていたことを認めた。
この結果、SCA社は仲裁手続きを再開し、アームストロングを処罰することを求めた。仲裁委員会の公聴会は数日間に渡って公聴会を開き、アームストロングから証言を聴取。最終的に仲裁委員会は、アームストロングがSCA社から多額の利益を確保するため偽証や他の不正行為を行ったとの判決を下した。
仲裁委員会は、アームストロングが「他の目撃者にウソをつくように脅し、プレッシャーをかけ」、さらに自らのウソを「守るために不誠実なスタッフを使い、感情的なアピールも行った」ことを明らかにした。そしてアームストロングが過去の不正を認めながらも「自らの不正行為に対し、自責の念を表さなかった」との結論に達している。
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