室屋義秀は開幕戦で6位入賞、次戦千葉大会に弾み…レッドブル・エアレース2015アブダビ大会 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

室屋義秀は開幕戦で6位入賞、次戦千葉大会に弾み…レッドブル・エアレース2015アブダビ大会

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レッドブル・エアレース2015第1戦アブダビ大会、室屋義秀
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3次元で戦う世界最速のモータースポーツ・シリーズ「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」。2015年シーズンの開幕戦決勝が、2月14日(土)にアブダビ(UAE)で開催された。

アジアから唯一参戦している室屋義秀(42歳、福島県)は、13日(金)の予選を2009年ポルト大会での予選4位を上回る3位で通過。その勢いのまま、決勝1回戦のラウンド・オブ14でマーティン・ソンカ(チェコ)を破り2回戦(ラウンド・オブ8)に進出した。

今年から勝ち抜き戦となった2回戦の相手は、同期のピート・マクロード(カナダ)。新型機を操り、昨シーズンから表彰台の常連となりつつあるライバルにわずか0秒481と肉薄した。

ラウンド・オブ8での室屋のタイムは0分59秒597と他の敗者の中で2番目に速く、その結果、開幕戦での順位は2009年バルセロナ大会以来の6位と自身にとって2番目にいい順位となり、2015年シーズンを幸先のいいかたちでスタートした。

アブダビ市街地の前に広がるターコイス・ブルーに輝く湾内で行われるアブダビ大会は、その美しさとは裏腹に、高い気温と気まぐれな風が選手を悩ます難しい大会のひとつ。今大会も練習段階から選手たちが次々とエアゲートに接触して修復が度重なることを受け、通常2回フライトを行う予選が、急遽1回のみへと変更になった。

そして、この様な難しいコンディションで力を発揮したのが室屋。レッドブル・エアレースでは、昨シーズンより全選手が共通のエンジンとプロペラを使用し、また重さが異なる飛行機とパイロットの体重差での条件が等しくなるように最低重量が規定されている。

しかし、室屋が操る飛行機Edge 540はV2型というひとつ前の型で、新しいV3型と比べて約70kg重く、チューンアップできる範囲が限られてしまうため新型機と比べてスピードが全体的に遅いハンデがある。そのため、大改造を施して中身がまったく別物のV2を操るポール・ボノム (イギリス)を除くと、今では室屋を含めて3人しか使っていない。

室屋はスピード勝負のレースでは不利だが、風向きが瞬時に変わるようなコンディションのレースでは、風の変化を感じて瞬時に対応する能力と飛行技術でその差を縮め、今回以上に難しいコンディションの中で行われた昨年の第2戦目のロヴィニ大会(クロアチア)では初の表彰台(3位)も獲得。そして今回、難しいレースでの飛行能力を改めて証明した。

好成績のもうひとつの要素としては、新たにレース・アナリストとしてベンジャミン・フリーラブがチームに加入したことが挙げられる。レースでは飛行のラインの取り方でコンマ数秒もの違いが出るため、室屋の練習飛行の様子を分析し、気温や気圧などを考慮しながら最適なライン取りや飛行機のセッティングなどで彼の貢献がかたちとなったのではないかと室屋は振り返っている。

レースを終えて室屋は「もう少しいい結果がでればもっとよかったのですが、レース自体には満足しています。幸い次の試合は日本なので、私の飛行機は直接日本に輸送されます。地元ですから、ゆっくり飛行機の調整ができます。日本ではみなさんにさらにいいフライトをお見せできたらと思います。生の迫力は最高ですので、是非会場に足を運んで下さい」とファンにメッセージを送っている。
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