11日、鈴木亜久里氏がエグゼクティブ・チェアーマンを務める「アムリン・アグリ・フォーミュラEチーム」は、13日に北京で開催されるフォーミュラE開幕戦に佐藤琢磨を起用することを発表した。
フォーミュラEは、FIA(国際自動車連盟)が管轄する電気自動車のフォーミュラカーレースシリーズで、その最初のシーズンが13日に北京で開幕する。年跨ぎの2014-15シーズンというかたちで行なわれる全10戦はすべて市街地コースでの開催。ほぼ月に1回の開催ペースで世界を巡回するが、その開催地のなかには琢磨がインディカーで13年に自身初優勝を飾ったロングビーチ(米国)や、F1の代名詞ともいえるモナコなど名門コースも含まれている(来年6月にロンドンで最終戦を迎える予定)。
アムリン・アグリというチームは、かつて亜久里氏が率いたスーパーアグリF1チーム(SAF1/06年から08年途中まで参戦)に参画していた上級テクニカルスタッフのマーク・プレストン、ピーター・マックールらがフォーミュラE参戦を企図して興したチームと伝えられる。彼らが「もう一度“アグリ”の名で戦いたい」との意向を示したことから、それに亜久里氏側が同調したというのが一般的に知られる参戦経緯だ(アムリンはメインスポンサー名)。
また、琢磨もフォーミュラEのシリーズ全体の開発ドライバーを務めるなどしてきており、今夏の英国ドニントンパークでの合同テストにおいてはアムリン・アグリのマシンに乗ってもいる。開幕直前の発表にはなったが、この流れはある意味でスムーズなものといえ、とにもかくにも、かつてF1を沸かせた「琢磨&アグリの挑戦」という構図の再現が成った。
◆佐藤琢磨のコメント
「記念すべき最初のフォーミュラEレースでアムリン・アグリとともに参戦し歴史を作ることをとても楽しみにしている。SAF1時代の懐かしい仲間と一緒に再びレースできることも嬉しい。北京ではチームの持てる力を最大限に引き出せるよう、全力で取り組む」
◆鈴木亜久里氏のコメント
「エグゼクティブ・チェアーマンとして、琢磨が加わってくれることをとても嬉しく思う。彼の参画によって、大きな団結力が生まれ、より強いチーム作りが出来るだろう。琢磨には今までの経験、特にF1やインディで培ったロードコースでの経験を北京で活かしてもらい、ともに良い成績をあげたい。アムリン・アグリにはSAF1時代のスタッフが多く関わっており、彼らとまたレースに参戦できることも嬉しく思っている」
フォーミュラEには10チーム20台のマシン(ワンメイク)が参加予定で、ヤルノ・トゥルーリやニック・ハイドフェルド、セバスチャン・ブエミ、ブルーノ・セナといったF1で名を知られたドライバーも数多く参戦を予定している。北京での琢磨のチームメイトは女性選手のキャサリン・レッグ。
決勝レースの模様はテレビ朝日系で中継されることとなっている。
佐藤琢磨、フォーミュラE開幕戦へのアムリン・アグリからの参戦が決定
《遠藤俊幸@レスポンス》