【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる

スポーツ まとめ
【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる
  • 【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる
  • 【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる
  • 【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる
  • 【山口和幸の茶輪記】フランスは右から来るクルマが優先だが、ロンポワン(ランドアバウト)では逆になる
フランスは日本の1.6倍の国土に半分の人口しか住んでいないので、基本的にゆったりしている。パリからクルマで30分も走れば麦畑や森林。広大な芝生や草地もいたるところにあり、ツール・ド・フランスの空撮ヘリも「ここに着陸するか!」というところに平気で降りる。

町と町を結ぶ道路はやはり基本的に単調で、たまに道路が交わるところにはロンポワン(ランドアバウト)と呼ばれる環状交差点がある。信号機がないこの交差点は赤信号待ちをしないのが利点なのだが、土地に余裕がないと設置できない。だから広大な大地を誇るフランスだからこそ敷設できる交通システムなのだ。

フランスをはじめとしたヨーロッパ大陸は右側通行で、日本や英国とは異なる。そういった真逆の道路通行は理解できるにしても、それぞれの国にはルールと暗黙の了解があって、外国人旅行者は面くらうことも多いはずだ。違和感を覚えるだけならいいが、それが事故につながる恐れもある場合はその国のルールをマスターした方が賢明だ。

フランスの自動車運転ルールも日本のものとは異なる部分がある。日本にはロンポワンなんてほとんどないのだから当然だ。国際運転免許証があるとはいえども、可能ならオートエコールと呼ばれる現地の自動車教習所でルールを教えてもらうのがベスト。

このオートエコールそのものもフランス的。街中の民家のようなオフィスしか施設というものがない。つまり教習所の敷地内でクラッチのつなぎ方やハンドル操作を覚えるなんてことはせず、仮免許もないのにいきなり路上教習。ルーフに「AUTO ECOLE」という表示灯がついているクルマにいきなり乗らされるのである。

ちなみに「AUTO ECOLE」表示灯が日本のタクシーのものに似ているので、うかつにも手を挙げて乗り込みたくなるが、運転者はおそらく免許を持っていないので停車して乗せてくれることは期待できないかも。

フランス流の運転ルールとしてはこんなものがある。優先道路が設定されていない十字路で2台のクルマが同時に進入してきたら、フランスでは右のクルマに優先権がある。つまりオートエコールでは「運転中に右にクルマが見えたら先を譲れ」と教えられる。

ところが! ポンポワンではそれが反対になる。ロンポワン内を走っているクルマに優先権があるので、これからロンポワンに突入しようとするクルマは左側に見えたクルマに道を譲らなければならないのだ。さらにどちらもロンポワン内を走っているときは「右に見えたクルマが優先」という基本ルールが適用されるので、さらに逆となる。

パリのポルトマイヨなどの大規模なロンポワンではその中に信号があったりする。エトワール凱旋門などは星形に道路が合流してくるのでかなりの混乱状態に陥る。ツール・ド・フランス取材でフランス1周5000kmを無事故無違反で走ってきても、このエトワール凱旋門に突っ込むときの恐怖といったらない。
《山口和幸》

編集部おすすめの記事

page top