【小さな山旅】 山を長く、深く楽しむ秘訣は師匠との出会い…井殿山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】 山を長く、深く楽しむ秘訣は師匠との出会い…井殿山(1)

オピニオン コラム
山本さんの講習では、技術的なことだけでなく、地域の自然の特徴も一緒に教えてくれる。例えば、御前山は「関東の嵐山」と呼ばれていることとか、那珂川は秋には鮭の遡上が見られ、鮎の漁獲量が日本一であることとか。周囲に生えている木の名前とか、飛んでいる鳥の名前とか。
  • 山本さんの講習では、技術的なことだけでなく、地域の自然の特徴も一緒に教えてくれる。例えば、御前山は「関東の嵐山」と呼ばれていることとか、那珂川は秋には鮭の遡上が見られ、鮎の漁獲量が日本一であることとか。周囲に生えている木の名前とか、飛んでいる鳥の名前とか。
  • この日の筆者の持ち物。カリマーの20lバックパック、モンベルのレインウェア、水のペットボトル3本……とやっぱり軽装。ゴミ袋は、降雨時のザックカバー代わりに。メロンはお土産。
  • 筆者の山の師匠であり、水辺のスペシャリストでもある山本滋さん。茨城県でカヌー・カヤックを中心としたアウトドア・ガイド&ツアーをしている。【DATA】ストームフィールドガイド茨城県常陸大宮市野口1151http://storm.cx/
  • カヤックで川を旅する。山本さんにとって、アウトドアとは「旅」である。
  • カヤックからの眺め。川に浮かんで見る景色は、いつもと違って新鮮だ。
  • この看板にもあるように、ストームフィールドガイドの活動範囲は幅広い。カヌー・カヤックはもちろん、MTB、SUP、トレッキング、シャワーウォーキング、ヨガにBBQまで。
  • 色とりどりのカヤックたち。
  • 那珂川と御前山、それと赤い橋。ストームフィールドガイドから見えるこの景色が素晴らしい。
誰しもが、人生で一度くらいは山に登った経験があるだろう。だが、その後も継続的に登る人は決して多くはない。山を続ける人と続けない人の違いは、その後の出会いにあると思う。

それは、一緒に山に登ってくれる人との出会いだ。その存在があるとないとでは、人生の中での山との関わり方が大きく異なってくる。

◆山旅の道連れを探そう

山の初心者であれば、山旅の道連れは山に精通している人が良い。山に登るのに必要なもの、服装、注意点、道順など、山を知っている人であれば的確な答えを示してくれる。「この山には落葉樹が多くて…」などと、山についてのウンチクを語れる人であればベストだ。山の楽しさも恐ろしさも知っている人と一緒に登れば、山に対する興味は自然と深まるだろう。

◆山の師匠は、水辺のスペシャリスト

筆者にもそのような出会いがあった。茨城県の御前山でアウトドアガイド&ツアーをしている「ストームフィールドガイド」の代表、山本滋さんがその人である。筆者の山の師匠的な存在だ。

山本さんは、栃木県と茨城県を流れる清流・那珂川を拠点に、川や海を中心としたアウトドア・ツアーを提案している。過去にはサーフカヤック競技で優勝した経験を持つ、水辺のスペシャリストだ。山本さんがカヤックを始めたきっかけは、若い頃に自転車で全国を旅していたころに遡る。旅の途中でカヤックと出会い、その魅力に惹かれてどっぷりと水辺の世界に浸る。そして、勤めていた会社を辞め、現在のストームフィールドガイドをスタートさせた。

◆山本さんが語る里山の魅力

山本さんは、カヤックを通じて自然の中を「旅」する楽しさを知る。その興味の対象は水辺から山にも広がり、日本アルプスなど数多くの山に登った。山の本を読み漁り、知識を蓄え、水辺だけでなく山についても詳しくなった。 

筆者と山本さんが一緒に登るのは、茨城県の里山が多い。以前に、山本さんが茨城県の里山の魅力を話してくれたことがある。

「緑が生い茂った里山ならではの風景の中を歩くと、自然の中に入っていっているという実感がわきます。あまり人の手が加えられていない自然が存在するのが、茨城の里山の魅力ですね」

梅雨空が広がる6月上旬。山の師匠と一緒に、里山の魅力に触れる旅に出た。
《久米成佳》

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