
ドジャースの佐々木朗希投手が5日(日本時間6日)、敵地フィリーズ戦でメジャー3度目の先発登板に臨み、4回0/3を3安打1失点、4奪三振2四球と好投した。メジャー初勝利はならなかったが、チームの3-1の勝利に貢献した。一方、敗れたフィリーズのトレイ・ターナー内野手は、佐々木の決め球スプリットを「ファンキー」と表現し、驚きを隠せないでいた。
◆フィリーズ相手に好投した佐々木朗希の将来は……人気者キケが太鼓判「彼は大丈夫、今日はそれを証明した」
■フィリーズファンが大ブーイング
佐々木の登場にシチズンズ・バンク・パークはブーイングに包まれた。フィリーズも今オフ展開された“佐々木争奪戦”に参戦。球団は入念にプレゼンテーション資料を準備したが、面談の席にさえ呼ばれなかった。
フィリーズファンは袖にされた怒りをマウンド上の若き右腕にぶつけたが、それがかえって佐々木の闘志に火をつけてしまったのかもしれない。
この日は結局、メジャー最長となる4回0/3を投げて、3安打1失点2四球4奪三振という好内容。代名詞である速球とスプリットを軸にフィリーズ打線を翻弄し、奪った4個の三振はすべてスプリットが決め球となった。
この伝家の宝刀について、フィリーズの選手たちも驚がく。首位打者に輝いた経験を持つターナーは「彼のスプリットは“ファンキー”だ」と独特の表現で評価すると、「あれは他の投手が投げるボールとはまったく異なる。映像で見るのと、実際に打席に立って見るのとでは説明は難しいが、全然違う」と振り返った。
■敵将「10月の戦いに役立つ」
また、ブライソン・ストット内野手は「感覚的にはスクリューボールみたいな感じだった。一度フワッと上がってから、すごい勢いで落ちてくるんだ。いい球だよ。今日はそれをストライクゾーンに決めてきたから、打つのが難しかった。今日は完全にキレていたね」と舌を巻いた。
ただ、強豪チームを率いるロブ・トムソン監督は早くも10月の戦いに目を向けており、「ササキのボールの軌道を体感できたのは良かった。ポストシーズンに役立つか? もちろん役に立つよ」とし、攻略に向けて収穫はあったと話した。
先述のターナーも「今回の結果を楽しい経験だったとは言えない」としつつ、今後の対戦を歓迎。「やはり最高の相手と戦いたいんだ。クレイトン・カーショーやザック・ウィーラー……そういった一流の投手たちと対戦することで、自分自身の実力も試されるからね。一流の選手と向き合うのは楽しいし、彼(佐々木)も将来的にはそういう1人になると思う」と称賛した。
佐々木のメジャー生活は始まったばかりだが、スター選手たちは大投手への道を歩むと確信していた。
◆制球改善の佐々木朗希は「ストライクゾーンで無敵に見えた」 本領発揮の右腕に識者が熱視線「最終的に偉大な投手になる」