近藤真彦、主催のマラソンイベントでモータースポーツを訴求 「メジャースポーツに根付かせたい」と熱意 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

近藤真彦、主催のマラソンイベントでモータースポーツを訴求 「メジャースポーツに根付かせたい」と熱意

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近藤真彦、主催のマラソンイベントでモータースポーツを訴求 「メジャースポーツに根付かせたい」と熱意
  • 近藤真彦、主催のマラソンイベントでモータースポーツを訴求 「メジャースポーツに根付かせたい」と熱意

ウィンタースポーツシーズン真っ盛りのこの時期、週末は各地でマラソン・ランニングイベントが開催されている。1月14日には横浜市の日産スタジアムのトラックと外周を使ったコースで市民マラソンイベントが開催された。

(C)前田利幸

この「イイコトチャレンジ」を主催するのは「KONDO Racing」(エムケイカンパニー株式会社)。約3000人が集まった会場には開会の挨拶から展示ブースの解説、表彰式のプレゼンターなどの役目に奔走する近藤真彦代表と、スーパーGTに参戦する車両2台の姿があった。

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■マラソンイベントでモータースポーツの魅力を訴求

昭和を代表するスーパーアイドルの近藤とファンの交流の場ともあり、今年還暦を迎える近藤と同年代の男女を中心に親子連れなど幅広い層が会場につめかけていた。イイコトチャレンジは近藤がファンを交え、みんなで“イイコト”をしようと、自身の趣味であり“カラダにイイ”マラソンを楽しもうというのが趣旨で、4年ぶりに開催された今回大会が11回目となる。

(C)前田利幸

そこにはチームのドライバーやスタッフも参加し、レース車両や近藤のプライベート車も展示。横浜ゴムなどのスポンサーもブース出展に協力し、同時にクルマやモータースポーツの魅力を訴求することにも務めている。実際に会場でレースの魅力に触れ、サーキットに足を運ぶようになったファンもいるそうだ。

(C)前田利幸

“タレント業の傍ら趣味が高じて本格的にレース挑戦”というのが、当初のポジションだった。選手引退後は再びタレント業に専念するものと考えていた。だが、そこから逆に近藤はさらに深くレース業界に関わりはじめた。レース活動は現在、スーパーGTのGT500クラス及びGT300クラスとスーパーフォーミュラ、国内トップカテゴリー3チームの監督。そして昨年よりスーパーフォーミュラの運営団体である日本レースプロモーション(JRP)の会長にも就任。星野一義、中嶋悟、鈴木亜久里といったレジェンドたちと同じ道を歩いている。

しかもタレント業と並行して。今では誰も“趣味が高じて”という印象は持っていないだろう。トップカテゴリーに3チーム参戦というのは、ただ熱心というだけでは実現しない。そこにはスポンサーなど、周りの支援体制が必須となる。その信頼や期待の部分で近藤は、レジェンドたちと並んだことになるのだ。

■「“レースも応援しよう”と思う人を増やしたい」

(C)前田利幸

イベント中に近藤代表に少し時間をもらい、自身のモータースポーツへの思いについて聞いてみた。

――「イイコトチャレンジ」は、レース活動にどう影響しているのか?「レース車両の展示などモータースポーツのピーアールは毎回実施しており、実際に一部の参加者がサーキットに来てくれるようになった。またチームのスポンサーも“近藤はレースだけでなく、一般の人たちに喜んでもらえる活動も行っている”と喜んでくれ、協賛の面でもプラス効果が出ていると思う。日産スタジアムを週末貸切るというのはかなりハードルが高く、日産や日産スタジアムが応援してくれているからこそ叶っている。だから今後も頑張って、イベントを継続していきたい。近藤真彦が頑張っている姿を見てもらい“レースも応援しよう”と思う人をもっと増やすためにも」

(C)前田利幸

――トップカテゴリー3チームの監督に加えJRP会長職、それからタレント活動と、今シーズンはかなり忙しくなりそう?「去年の方が、JRP会長初年度ということで忙しかったかな。今年ももちろん忙しいが、モータースポーツにより深く関わっていきたいと自らが望んでいた展開でもある。大変ではあるが、正直なところそれが心地よいとも感じている」

――間もなく2024年シーズンが開幕するが、それぞれで期待することとは?「スーパーフォーミュラについては、今シーズンはぜひ期待してもらいたい。来日するF1予備軍の強豪外国人ドライバーと日本人のトップドライバーとの激しいぶつかり合いは、非常に盛り上がると思う。そのレベルの高さはヨーロッパのドライバーたちも認知していて、昨今より注目されているし。選手やチームも、シリーズをもっと盛り上げていこうという士気が高まっている。18歳の女性ドライバー、Juju選手の参戦については賛否両論だが、彼女のチャレンジをみんなにはぜひ、暖かく見守ってほしいと思う。KONDO Racngの2台については、昨シーズン結果が物足りなかったことで今シーズンは危機感を持って、ガッチリ好成績を残してくれることに期待している。スーパーGTの方は、GT500のチームについては体制発表がまだだが、噂通り体制が大きく変わることになりそう。その中で今シーズン最低1勝はしたい。GT300の方は今シーズンもチャンピオン争いにからんでいきたい。常に“打倒56号車”と呼ばれるポジションに居続けていたい」

(C)前田利幸

――その目標をクリアした後に見る、レース活動における最終的な目標とは?「昨シーズンのトムスのように、ダブルタイトルを獲ったら辞めるかと言えば、やっぱりやめないと思う。今、目指しているのはダブルタイトルだが、おそらくそこが最終ではない。では何か、と聞かれるとなんだろう……。ひとつ感じているのは、サッカーや野球などメジャースポーツはチーム、選手、スポンサーが頑張って盛り上げようとすれば本当に盛り上がる。でもモータースポーツの場合は、なかなかそうはないかない。日本のモータースポーツを少しでもその域に近づけたい、モータースポーツをメジャースポーツのひとつと根づかせたい。やはりここなのでは。目標というか、これが宿命だと思っている」

(C)前田利幸

前述のレジェンドたちもおそらく、同等の思いを持っているはず。しかし、その思いを伝える力が異なっている。レースに興味がない層でも注目してもらえるのは近藤だけだ。

奇しくも今回のイイコトチャレンジはモータースポーツ業界のオフシーズン最大のイベントである東京オートサロンと日程が重なってしまい、近藤もオープニング挨拶で「オートサロン並みに、こっちにも魅力的なレーシングマシンが展示してあるから見ていって!」と、ジョークを言っていたが、オートサロンではない他の場所でアピールすることの意味は近藤だからこそある。

そんな人物が、トップカテゴリーの片方のトップに立った、国内モータースポーツのこれからの発展に、ぜひとも期待したいものである。

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著者プロフィール

前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター

2002年初旬より国内外モータースポーツの取材を開始し、今年で20年目を迎える。日刊ゲンダイ他、多数のメディアに寄稿。単行本はフォーミュラ・ニッポン2005年王者のストーリーを描いた「ARRIVAL POINT(日刊現代出版)」他。現在はモータースポーツ以外に自転車レース、自転車プロダクトの取材・執筆も行う。

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