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MLBで今季導入された、新ルールの影響が浮き彫りになってきた。
投球時間制限「ピッチクロック(無走者時15秒以内、有走者時20秒以内に投球をする)」により、平均試合時間は26分の短縮。「守備シフト制限(2塁ベースを挟み内野の両側に野手2人ずつを配置する)」は、とりわけ左打者のインプレー打率を上昇させている。
そして「牽制回数の制限(2回まで。3回目でランナーを刺せない場合はボーク)」や「ベースサイズ拡大(本塁以外がおよそ7センチ拡大)」で、盗塁数が大幅に増加中。データ分析が浸透し、より得点力を求めるフライボール狙いが流行した、MLBのプレースタイルにも変化が訪れている。
◆【速報/ライブ更新】「大谷翔平/全打席リアルタイム速報」3盗塁で大記録へ前進、45号アーチなるか【9月3日ダイヤモンドバックス戦】
■日本人最多は、イチローのMLB通算509盗塁・成功率81%
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MLBチーム1試合平均の盗塁企図数(5月18日終了時点)「Baseball Reference」参照の上、作成
MLBは開幕からシーズンのおよそ4分の1を消化。18日(日本時間19日)現在、リーグ全体の盗塁数は923個を記録。単純計算するとシーズン3,600個ほどのハイペースで積み重ねられており、昨季の2,486個を大きく上回りそうだ。
データサイト「Baseball Reference」によると、チーム1試合平均の盗塁企図数0.89個は、昨季の0.68個より大幅アップ。近年では、2001年と2011年の0.93個に迫る勢いだ。盗塁成功率も78.8%と、2001年以降では最高の数値をマーク。守備シフトの制限も相まって、「フライボール信仰」にも影響が出ると見られている。
イチローがMLBデビュー、56個を奪い盗塁王のタイトルを獲得したのが、2001年。「スモールベースボール」が見直されるきっかけになったとも言われるが、12年以降の盗塁企図数は再び右肩下がりを続けていた。ここ20年でも類を見ないMLB変革の年、新たなトレンドとなるのか引き続き注目していきたい。
文●有賀博之(SPREAD編集部)
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